SUPER☆GiRLS「ラブサマ!!! 」のコード進行解析・感想


本記事では2016年8月31日発売の、SUPER☆GiRLS「ラブサマ!!! 」のコード進行を耳コピによって採譜したものを掲載し、楽曲についての簡単な音楽的な解説や感想を述べていきます。

SUPER☆GiRLS「ラブサマ!!! 」の概要


本作はSUPER☆GiRLSの14作目のシングルです。SUPER☆GiRLSは、2010年にavexからデビューした女性アイドルグループで、これまで何度かのメンバーの入れ替えを経ています。今作では新たに5人が加入し、合計14人のメンバーが在籍した状態でのリリースとなります。

デビュー当初から売上は順調でしたが、特に前年度のシングルは売上枚数8万枚を超え(オリコン調べ)、念願のオリコン週間1位をいつとってもおかしくないレベルになっています(ただし、本作はAKB48と同週発売のため1位は厳しいですが)。

本作は典型的なアイドルポップ調のサマーソングで、ノリがよく、日本人に受け入れやすいメロディーの楽曲となっています。

※上の動画は、avexがyoutubeの公式チャンネルで投稿している動画です。本記事のコード進行解析は当動画で流れている部分のみ(1コーラス)となっております。

「ラブサマ!!! 」のコード進行

イントロ

|F|F|E♭|D|Gm7|Gm7|B♭m|B♭m|B♭m|C|
|F|Dm|B♭|C|Am7|D|Gm F/A|D♭E♭|Fsus4|F C|

Fの次にE♭→Dと進むため、一瞬どこがキーだかわからなくなりますが、その後のコード進行から本曲のキーはFメジャーであり、E♭やDが特殊なコードであることがわかります(なお、1コーラスまで聴いた限りでは転調はしていません)。

サビも最初の数小節はイントロと同じようなコード進行であり、F→E♭→D(Ⅰ→Ⅶ♭→Ⅵ)と進む進行は、アイドル曲としては比較的珍しいのではないかと思います。少なくとも、以前にAKB48関連のシングル曲と、ラブライブ関連のシングル曲で集計を行った際には、全部で100曲以上の曲がありながら、このようなコード進行の楽曲は1曲もありませんでした。Ⅶ♭はダイアトニックスケールではない音(Ⅶ♭)が含まれており、良くも悪くも聴き手に強い印象を与えるため、扱いが難しいのだと思います。

ただ、コード進行は珍しいものの、アレンジ自体はシンセブラスの音にのったノリの良い8ビートで、非常に多くのアイドルソングと共通点は多いと言えます。

Aメロ

|F|C/E|Dm|C|Gm|D/F#|B♭/F|C A/C#|
|Dm|A/C#|F/C|G/B|Gm|C|F(sus4)|F|

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵmのカノンコードから始まり、ベースラインを徐々に下げるコード進行が3度続きます。イントロやサビが珍しいコード進行であるのに対し、Aメロは頻繁に使われている進行と言えるでしょう。F(sus4)と書いた部分は、sus4でも単なるFでもほぼ違和感がないため、そのように記載させていただきました(伴奏だけならFだと思いますが、ブラス音でⅣの音があるため、sus4を付けたという感じです)。

Bメロ

|Am|Dm|Gm|C C7/B♭|Am|Dm|
|Gm Am|B♭G/B|C|C|C|C|

Bメロの6小節目まではいわゆる「PPPH」リズム(アイドルや声優のライブにおける独特のノリ)の、いかにもな感じのBメロで、コード進行はⅢm→Ⅵmと進むパターン。このコード進行は、サビで使われることは非常に珍しいのですが、サビにつなぐ部分、すなわちBメロで使われることは非常に多いのです。

Bメロ後半からはリズムも変わり、ベースラインがG→A→B♭→Bと少しずつ上がり盛り上がってサビへと続きます。

サビ

|F|F|E♭|D|Gm7|B♭/F|C|C A/C#|
|Dm|C|G/B|B♭|Am7|Dm|GmAmB♭Gm|AmB♭・・|C|C|
|F|Dm|…(間奏へ)

サビは、イントロのところでも述べたように非常に珍しいⅠ→Ⅶ♭→Ⅵの進行。普通ならF(Ⅰ)の次は、C(Ⅴ)かDm(Ⅵm)などが来ることが圧倒的に多いですが、あえてこのコードを使用したことに、作り手のこだわりを感じます。

そして、9小節目からまたもやベースラインが少しずつ下がるテクニックが使われています。この部分は、Aメロで使われたベースラインとは似ているようでも異なっているため、本曲では初めて登場する新鮮なコードの響きを与えます。ヴォーカルのファルセットも良いですね(最高音は「レ」です)。

最後の部分は、少し聴いただけだと3拍子になったようなリズムの部分がありますが、よくよく拍を数えてみると4拍子のままで、リズムは変わっていないことがわかります。

まとめ

SUPER☆GiRLS「ラブサマ!!! 」のコード譜を採譜しました。サビで使われているコード進行は非常に珍しいものであるのですが、アレンジのおかげか、珍しい感じの曲には聞こえず、むしろ王道的なアイドル路線の楽曲であるように感じました。個人的にはサビ後半のファルセット部分がメロディー、コード進行ともに好みです。

アイドルソングのコード進行はそれほど需要がないかもしれませんが、作曲する人にとっても何らかのヒントになると思いますので、お手元に楽器がある方はぜひ弾いて、そのハーモニーが奏でる響きを味わってみてください。また、本曲を聴いて気にいった方や、SUPER☆GiRLSのファンでこのブログにたどり着いた方は、大半は何を言っているかわからない記事だったかもしれませんが、少しだけ書いた感想の部分で皆様と共感できたらいいなと思います。

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