表情豊かな曲作りに必要な「ノンダイアトニックコード」の性質・使用例 


ノンダイアトニックなコードのイメージ
作曲においてはメロディーの他に、楽曲のコードを決めることが非常に重要です。コード進行の多くは、その楽曲のキー(調)に基づいた主要コード(ダイアトニックコード)を用いて作られますが、主要コードのみだと、楽曲が単調であったり、表情の変化が感じられない、と思うことがあります。

その際に使われるのがノンダイアトニック(非ダイアトニック)と呼ばれる特殊なコードです。「ノンダイアトニックコード」は、音楽理論的には「ルールに反したコード」であるため、間違った使い方をすると楽曲がめちゃくちゃになってしまう危険性がありますが、その反面、物足りなさを補うものとして非常に効果的で、切なさ、意外性、インパクトと言った様々な感情を楽曲に付加することができます。

当記事ではそのノンダイアトニックコードはどのようなものか?という説明から始まり、どのように使われているかを、サンプル音源とともに説明していきたいと思います。

ノンダイアトニックなコードを説明する前に・・・

「ノンダイアトニック」を説明するためには、まず「調」「スケール」といった言葉の意味や、「ダイアトニックとは何か」ということがわかっていないと説明がしづらいため、まずはそれらの用語から説明させていただきます。

調(キー)とメジャースケールの説明

「調」という言葉を、言語だけで説明するのは難しいです。例えば、Wikipediaには以下のように書いてあります。

メロディーや和音が、中心音(tonal centre)と関連付けられつつ構成されているとき、その音楽は調性(tonality)があるという。伝統的な西洋音楽において、調性のある音組織を調と呼ぶ。

…全く分かりませんよね。でも、これはWikipediaの説明が悪いわけではないのです。実は、「調(キー)」という言葉を単独で説明するのはとても難しいことなのです。しかし、僕のブログを含め、多くの場合は「調(キー)」という言葉は、音名と合わせて使われます。たとえば「Cメジャーキー」や「ハ長調」といった具合です。そして、このように音名が合わさった表記であれば、比較的簡単に言葉の意味を説明することができます。

例えば、「Cメジャーキー」や「ハ長調」(これらは同じ意味です)の定義は以下のようになります。

「『ドレミファソラシド』の音階上の音を主に使って演奏できる楽曲」

楽譜でいえば、#も♭もないような楽曲の事を言います。Cメジャーの楽曲では、「ドレミファソラシド」の音は違和感なく使うことができますが、それ以外の「ド#,レ#,ファ#,ソ#,ラ#」の5音が登場した場合、違和感を感じる、という性質があります。

また、「ドレミファソラシド」の音階そのものを「Cメジャースケール」などと呼びます。「レミファ# ソラシドレ」なら「Dメジャースケール」ですね。

ダイアトニックコードとは

調とスケールについて言葉の説明を終えたところで、今度はダイアトニックの意味を説明します。

「ダイアトニックコード」とは、「メジャースケールの音階上に存在する音だけで構成されたコード」の事を言います。たとえば、「ドレミファソラシド」だけで構成されたコードを、「Cメジャーにおけるダイアトニックコード」等と呼びます。

ダイアトニックコードは、セブンスやナインス等も含めればたくさんありますが、3音だけでできるコードとしては、次の7つしかありません。

●Cメジャーのダイアトニックコード●
C, Dm, Em, F, G, Am, Bm5

(最後のBm5は見慣れない方も多いかもしれませんが、構成音が「シレファ」という3音のコードです。厳密にはBm(♭5)と書くべきですが、Bm(#5)はBmと全く同じであり、わざわざ♭の記号を書かずとも#5ではないことが分かるため、省略されることも多いです。)

どのようにして上の7つのコードがダイアトニックであるとわかったのでしょうか?それは、次のような手順で簡単に示すことができます。

まず、各コードの構成音を探っていきます。Cの構成音は「ドミソ」であり、Cmは「ドミ♭ソ」です。Cメジャースケールは「ドレミファソラシド」であり、コードCの構成音「ドミソ」は、メジャースケールの音にすべて含まれているからダイアトニックコードです。一方、Cmの構成音の1つであるミ♭は、それに含まれていないため、ダイアトニックでないコードとなります。このようにして、DmはダイアトニックだがDはそうではない…などとわかるのです。したがって、あるコードがダイアトニックコードかどうか、というのは丸暗記する必要は全くなく、コードの構成音がスケール上の音と一致するかどうかを調べるだけで、判定することができます。

上記7コードにセブンスを付けたダイアトニックのコードは以下の通りです。

●Cメジャーのダイアトニックなセブンスコード●
CM7, Dm7, Em7, FM7, G7, Am7, Bm7-5

何故CやFはメジャーセブンスで、Gは単なるセブンスなのかということも、上で示した方法を使えば簡単に示すことができます。

ここまで示してきたのは、Cメジャーのキーの場合でした。ダイアトニックなコードは、キーによって異なります。たとえば、Gメジャーキーにおけるダイアトニックコードは以下の通りです。

●Gメジャーのダイアトニックなセブンスコード●
GM7, Am7, Bm7, CM7, D7, Em7, F#m7-5

CメジャーではダイアトニックだったFM7は、Gメジャーでは含まれないのが分かると思います。このように、「ダイアトニックコード」というものは、キーが何であるかによって変わる概念であることがわかります。

キーが何であっても統一的に使える表現として、ローマ数字を使った表現が頻繁に用いられます。この表現では、メジャースケールの最初の音(たとえばCメジャーならC)をⅠとして、

●ローマ数字を使ったダイアトニックコードの表現●
3和音:Ⅰ, Ⅱm, Ⅲm, Ⅳ, Ⅴ, Ⅵm, Ⅶm5
セブンス:ⅠM7, Ⅱm7, Ⅲm7, ⅣM7, Ⅴ7, Ⅵm7, Ⅶm7-5

というように表すことができます。ⅠM7という部分は、Ⅰ△7とも書かれますが、意味は同じです。

このようにローマ数字で表す方法を用いると、キーに関係なく、例えば「Ⅳはダイアトニックで、Ⅳmはそうではない」という表現が可能になります。

前置きが長くなりましたが、作曲においてメロディーにコードを割り当てる場合は、基本的には上記のようなダイアトニックコードを用いて作曲をしていくことになります。ダイアトニックのコードはメジャースケール上に存在する音のみで構成されるため、違和感を持つことが少なく、整った感覚を得られるためです。

しかし、ダイアトニックコード以外のコードを使ってはいけないかといえば、そういうわけではありません。

そして、その「ダイアトニックコード以外のコード」こそが、当記事のタイトルにもある「ノンダイアトニックコード」なのです。

ノンダイアトニックコードの定義と性質

ノンダイアトニックコードとは

ノンダイアトニックコード(ノンダイアトニックコード)は、その言葉の通り、「ダイアトニックコード以外の全てのコード」のことを示します。

ローマ数字で言えば、Ⅰm, Ⅱ, Ⅲなどがそれに該当しますし、Cメジャーのキーでは「ピアノの黒鍵盤を使うコード」のことです。楽譜に置いては「臨時の調号を使わないと表せないコード」という表現でも正しいでしょう。

Cメジャーのキーにおいては、原則的には「メロディーもコードも『ドレミファソラシド』で構成する」ことが重要ですが、その規則通りのコードだけを使って楽曲を作ると、だんだん味気ない感じに聞こえてきてしまいます。ダイアトニックコードは、いい意味では「整った」「心地よい」「違和感がない」という性質がありますが、裏を返せば「代わり映えのしない」「退屈」という見方もできるからです。

ノンダイアトニックコードは、曲に様々な表情をもたらす

その退屈さを打破するために登場するのが、ノンダイアトニックコードです。ノンダイアトニックコードには「メジャースケール」の統率された音階からずれた音を使っていることから、「違和感がある」「意外性がある」「不思議な感覚がある」「ハッとする」「切なさを感じる」「オシャレな感じがする」といった印象を感じることがあります。

これらのうち、どの感情を抱くかは、人によって異なるし、コードの登場の仕方、メロディー、アレンジ等によっても変わってくるでしょうが、ダイアトニックなコードに比べると大きなインパクトを持っているのは確かです。

ノンダイアトニックコードを使いすぎると…

そんな素晴らしい性質があるのなら、「ノンダイアトニックコードを使いまくれば、いい曲が生まれるのでは?」と思われる人がいるかもしれません。しかし、ノンダイアトニックかダイアトニックかというのは、あくまで「キー」が分かっているからこそ存在する概念です。

例えば、キーがCの曲においては、E(Ⅲ)というコードが出てきた時に、それがノンダイアトニックであるため、独特の切なさを感じます。しかし、それが「切ない」と感じる、つまり、「ノンダイアトニックであること」がわかる理由は、楽曲のキーがCであることがあらかじめはっきりしているからです。どういうことかというと、「この曲のキーはCですよ」と言った情報はどこかに書いてあるわけではなく、Cスケール上のダイアトニックコードをたくさん聞くことによって、皆さんの脳(あるいは耳?)が、「あ、この曲の調はCなんだな」と自動的に認識するのです(音楽理論がわからない方であっても、皆さんの脳は音楽を聴くときに、無意識にそれをやっているのです。そうでなければ「調」などという言葉は存在していないはずです)。

しかし、ノンダイアトニックなコードばかりが存在して、その楽曲のキーが何なのかわからない状態でEというコードが演奏されたら、Eがノンダイアトニックかダイアトニックかもよくわからず、そういった状態では「切なさ」や「感動」といった感情は生まれないかもしれません(中にはめちゃくちゃなコードをわざと使いまくって違和感を出すことで、インパクトを与える楽曲もありますが、初心者のうちはそのようなことはしない方が良いと思います)。

このような理由により、楽曲を作る時は、基本的にはダイアトニックコードを多く使用し、スパイスを加えるような感じで、所々にノンダイアトニックコードを混ぜるのが良いと思います。

ノンダイアトニックコードの例

Ⅲの特徴とその使用例

実際にノンダイアトニックなコードがどのような響きを持っているかを、音源とともに例を挙げてみましょう。ここでは、ノンダイアトニックコードの中で一番使われていると思われる、「Ⅲ」というコードの響きを聴いていただきたいと思います。Ⅲは、Cメジャーの曲においては、Eというコードに相当し、その第三音はソ#(Ⅴ#)であり、この音が含まれているためノンダイアトニックコードの定義に合致します。

この音は、「メジャースケール」とは異なる音階である、「メロディックマイナースケール」という音階上の音であるため、ノンダイアトニックコードの中では、どちらかといえば違和感が少なく、それでいて普通のダイアトニックコードよりはインパクトのある、取り扱いがしやすいコードと言えます(メロディックマイナースケールについては話すと長くなるので、ここでは触れません。Ⅴ#という音が、他のⅠ#やⅡ#等の音よりは、ドレミファソラシドの音階にマッチしやすいと思っていただければ十分です)。

具体的に音源で聴いてみましょう。まずは、普通のダイアトニックコードのみを使った例を2つ聴いてもらいたいと思います。

|C(Ⅰ) G(Ⅴ)|Am(Ⅵm) Em(Ⅲm)|
|C(Ⅰ) Em(Ⅲm)|Am(Ⅵm) Em(Ⅲm)|

2つの音源は、全く同じメロディーに2つ目の小節だけ別のコードを付けたものです。いずれも、4つのコードは全てダイアトニックなコードを使っています。

メロディーは即興で作ったものであり、もしかしたら何かのパクリになっているかもしれませんが、作品として公開しているわけではなく、コードの響きを説明するためにサンプルとして作っただけのものなのでご了承ください。

続いて、2つ目のコードをノンダイアトニックなE(Ⅲ)に変えたのが次の音源です。

C(Ⅰ) E(Ⅲ)|Am(Ⅵm) Em(Ⅲm)|

どうでしょうか。2つ目の小節のところで、ちょっぴり切ない感じがしたのではないでしょうか?そうでなくとも、上の2つの例とは何か違う感覚が得られたのではないかと思います。メロディーは全く同じですから、その感覚は、コードによって持たされたもので間違いはありません。それこそが、ノンダイアトニックなコードの出す独特の響きなのです。

下の音源のように、4つ目のコードをノンダイアトニックにすることも考えられます。

C(Ⅰ) Em(Ⅲm)|Am(Ⅵm) E(Ⅲ)|

今度は、最後の和音の響きが、なんだか深みがあるような感じを受けたのではないでしょうか。

このようなⅢの特殊な響きが特徴的な楽曲は、日本で大ヒットした楽曲にも多くあります。例えば…

  • TSUNAMI/サザンオールスターズ
  • 揺れる想い/ZARD
  • ありがとう/いきものがかり
  • しるし/Mr.Children

上記の楽曲では、いずれもサビの2小節目にⅢ(またはⅢ on Ⅶ)が使われています。これらの楽曲のサビは、代わりにⅠ→Ⅴというカノンコードを使ったとしても、大きな違和感は感じなかったはずですが、ノンダイアトニックなⅢが含まれていることで、独特な切なさを感じる楽曲となっています。メロディーや歌唱が素晴らしいのも確かですが、Ⅲというコードによる素晴らしい響きも、これらの楽曲がヒットした要因の1つではないかと思います。

さて、このⅢですが、上の音源で聴いていただいたように、Ⅲ自体が「切ない」とか「感動する」といった感情を秘めているという性質の他に、「次にⅥm系の進行を強く欲する」という性質があります。「Ⅵm系の進行」とは、Ⅵmから始まるコードの他、サブドミナントであるⅣから始まる進行も含みます。簡単にいえば、Ⅲの後には、ⅥmやⅣが来やすいというわけです(なぜ来やすいかは「セカンダリードミナントモーション」という性質によるものですが、ここでは省きます。このことについてもいずれ記事にしてみたいと思います)。

ⅣやⅥmといったコードをサビの最初に持ってきたい場合は、普通であればⅤをサビの直前に使うことが多いと思いますが、あえてノンダイアトニックなⅢを使用することで、オシャレな感じでサビに入ることができます。

では、サビの手前でⅢを使う例を見てみましょう。ここではメロディーなしでコードだけを演奏してみます。

Am(Ⅵm)|G(Ⅴ)|F(Ⅳ) G(Ⅴ)|Em(Ⅲm) Am(Ⅵm)|
Am(Ⅵm)|E(Ⅲ)|F(Ⅳ) G(Ⅴ)|Em(Ⅲm) Am(Ⅵm)|

上と下の音源で、2小節目のG(Ⅴ)とE(Ⅲ)の部分だけが異なります。和音を8分音符で連打している部分が、その部分です。

どちらの場合でも違和感はそれほどないと思いますが、Eを使った後者の方が、より切ない感じがしたのではないでしょうか。

その他のノンダイアトニックコードと使用例

Ⅲ以外でも、よく使われるノンダイアトニックコードはたくさんあります。

Ⅲのように切ない感情を持つものもあれば、砕けた感じを出すもの、強烈な違和感を感じるもの等様々です。その前後のコード進行によっても、ノンダイアトニックコードによって感じる印象は異なります。

以下にノンダイアトニックコードの一覧と、それらが使われる例を簡単にまとめてみました。頻繁に使われていると僕が感じているコードを、太字で示しています(その中でも特に、Ⅱ、Ⅲ、Ⅵあたりは非常に多く使われている印象があります)。これらはあくまで一例であり、この通りに使わないといけない、というわけではありません。また、ここで示したもの以外にも、ノンダイアトニックコードは無数に存在します。

なお、2列目の数字は、そのコードに含まれる「スケール外の音」がいくつあるかという数字です。そのコードを弾くのに要する黒鍵盤の数を意味します。この数字が多いほど、元の調との関連性が薄く、より違和感が強いコードと言えますので、使用する際の参考にしてみてください。この数字が1であるものが比較的よく使われていると思われます。

コード 特徴・使用法
Ⅰ7 1 Ⅳを強く欲し、Ⅰ7→Ⅳと進むことが多い。トニックにもかかわらず、セブンスがつくだけで非常に不安定な感覚になる。
Ⅰm 1 同主調のマイナートニック。転調する直前に使われることが多い。
Ⅰ# 2 使用例は少ない。
Ⅰ#m 2 音楽理論上はⅠと関連性は大きいものの、使用例は少ない。
Ⅱ(7) 1 Ⅰ→ⅡあるいはⅥm→Ⅱ等と、Ⅱmの代わりで使われることが多い。Ⅵm→Ⅱmは哀しい感覚だが、Ⅵm→Ⅱはおしゃれな感じ。Ⅱの次はⅣやⅤに移行することが多い。使用例はかなり多い。
Ⅱ#(Ⅲ♭) 2 Ⅲ♭→Ⅳ→ⅤやⅢ♭→Ⅴと進み、Ⅴに移行する際のアクセントに使われることが多い。
Ⅱ#m(Ⅲ♭) 3 稀にⅢmとⅡmのつなぎで使われることがあるが、使用例は極めて少ない
Ⅲ(7) 1 ノンダイアトニックコードではおそらく一番利用例が多い。ⅥmかⅣに移行することが圧倒的に多い。ⅤやⅢmの代理で使えることが多い。本文参照。
Ⅳ7 1 ポップスでは少ないが、ロックンロールで等ではごくありふれたコード。
Ⅳm 1 サブドミナントマイナーと呼ばれる。Ⅳの代わりで用いられることが多い。Ⅰ→Ⅳmの進行は不思議な感覚を持つ。
Ⅳ# 3 理論上はⅠと関連が薄いが、Ⅳの直前に挿入されて強烈なインパクトを与えることがある。
Ⅳ#m 2 使用例は少ない。
Ⅳ#m7-5 1 Ⅳの前に一瞬だけ挿入されてインパクトを出すことがある。Ⅱ(7)の代理で使用される。Ⅳ#mよりははるかに使用例が多い。
Ⅴm 2 ドミナントマイナーと呼ばれる。Ⅰ→Ⅴm→Ⅵ(7)やⅠ→Ⅲm/Ⅶ→Ⅴm/Ⅶ♭→Ⅵ(7)のように、Ⅵ(7)を誘導することが多い。
Ⅴ#(Ⅵ♭) 2 Ⅵ♭→Ⅶ♭→ⅠやⅥ♭→Ⅴといったパターンが見られる。
Ⅴ#m 2 使用例は少ない。
Ⅵ(7) 1 セカンダリードミナントモーションで、Ⅱmを強く欲する。次に来るコードとしてはⅡmが圧倒的に多いが、Ⅳが来ることもある。使用例はかなり多い。
Ⅵ#(Ⅶ♭) 1 Ⅵ♭→Ⅶ♭→Ⅰの他、Ⅰ→Ⅶ♭と進むこともある。使用例は多い。
Ⅵ#m(Ⅶ♭m) 2 使用例は少ない。
Ⅶm 1 Ⅲを誘導することが多い。Ⅰ→Ⅶm→Ⅶ♭→Ⅵと、ベース音を半音ずつ下げる進行にも使われることがある。Ⅶm7-5と用途は似ているが、インパクトはⅦmの方がやや強い。
Ⅶ(7) 2 Ⅲを誘導することが多い。Ⅶ→Ⅲ→Ⅵmという二段重ねのドミナントモーションは、かなり強烈な切なさを持ち、歌謡曲では使用例が多い

※の列はコードの構成音に、スケール外の音がいくつあるか。

まとめ

当記事ではノンダイアトニックなコードとは何かという事と、その特徴を音源による実例とともに説明しました。ノンダイアトニックコードは、コードだけでも楽曲に様々な感情を付けることができるため、ついつい多用してしまいがちになってしまいますが、記事中で述べたように、使いすぎると音楽がめちゃくちゃになってしまうような危険な存在です。「インパクト」「感情の変化」というとらえ方をされればよいのですが、おかしな使い方をしたことによって、「単なる違和感」になってしまうことも十分にあり得るのです。

ノンダイアトニックコードが全く使われていなくても心を打つような楽曲もたくさんあり、そういったものはヴォーカル、メロディー、歌詞等が非常に優れていることが多いです。本当にいい曲というのは、コード無しのアカペラで歌っても、良さが感じられるものです。

作曲において、ノンダイアトニックコードによる味付けは確かに有用ですが、そればかりに頼ってしまうことによって、おかしな楽曲になってしまったり、メロディーなどをおろそかにしてしまうことがないように、注意して作曲を続けていただけたらと思います。

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