back number「ハッピーエンド」のコード進行解析と楽曲の感想 ※11/21 フルコーラス追記


本記事では、2016/11/16発売のback numberの楽曲「ハッピーエンド」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「ハッピーエンド」の概要

本曲はback numberの半年ぶり、16作目のシングルで、12月に公開される映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の主題歌となっています。

「ハッピーエンド」のコード進行

※16/11/21 2コーラス以降も追加しました。

●イントロ
|DM7(add9)|C#7 C#7/F|F#m7|B7|
|D|Esus4 E|

●Aメロ
|D|A|Bm7|F#m7|
|D|A|Bm7|F#m7|

●Bメロ
|D C#7|F#m A|
|Bm7|C#7|

●サビ(1コーラス)
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|F#m|C#7|
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|A|Dm7|

※Aメロ~Bメロ繰り返し

●サビ(2コーラス)
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|A|

|G|F#m7|F|A/E|
|B/D#|D|Esus4 E|F G|

●Cメロ
|D|A|Bm7|F#m7|
|Esus4・E D#|

●ラスサビ
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|F#m|C#7|
|DM7|E7|C#m C#7|F#m7|
|Bm7|E7|

●後奏
|DM7(add9)|C#7 C#7/F|F#m7|B7|
|D|Esus4 E|
|DM7(add9)|C#7 C#7/F|F#m7|B7|
|D|Esus4 E|E|

イントロ

ストリングス系の楽器とピアノがメインの、スケールの大きい感じのイントロから入ります。コード進行は、D(Ⅳ)→C#(Ⅲ)→F#(Ⅵ)m→A(Ⅱ)と推移しており、曲の冒頭から使われるコードとしてはやや珍しいコード進行と言えます。特に、ⅢとⅡの部分はノンダイアトニックコードで、初っ端からぐっとくるようなインパクトを内に秘めた感じのイントロです。

キーはF#マイナー(またはAメジャー)で、楽譜だと#が3つの調です。Ⅲ→Ⅵmという、かなり暗いマイナー調のコード進行が使われており、「ハッピーエンド」というタイトルから楽しい曲調を想像していたためか、冒頭のイントロはとても意外性を感じました。同時に、back numberの楽曲でオーケストラの壮大なイントロはあまりイメージがなかったので、その先を聴く楽しみも芽生えました。

Aメロ~Bメロ

ストリングスは一旦お休みで、ピアノとアコギのコード弾きのメロディーが始まります。この部分はD(Ⅳ)→A(Ⅰ)というメジャー系のコード進行で、イントロの部分とはうって変わって明るい印象を持つのが特徴です(ただし、コードの解決感はF#mにあるため、「曲調」としては「マイナー」です)。

Bメロは再度ストリングスが入り、コード進行もイントロと似た、悲しい感じの進行に戻ります。ここでもC#7(Ⅲ7)というノンダイアトニックコードが、非常に存在感を出しています。

サビ

サビのコード進行はD(Ⅳ)→E(Ⅴ)→C#(Ⅲ)m→F#(Ⅵ)mと進む、いわゆる「王道進行」によく似た進行です。J-POPのあらゆる分野で非常に多く使われており、back numberでも、「高嶺の花子さん」や「SISTER」といった人気曲のサビがこの進行です。

「よく似た」と書いたのは、3つ目のC#(Ⅲ)mの部分が、本曲では前半がC#(Ⅲ)m,後半がC#(Ⅲ)7という感じで、メジャーコードとマイナーコードに分かれているためです。特に後半のC#7というノンダイアトニックコードの存在により、通常よりも切ない感じを大きく出しながら、次のF#(Ⅵ)mを強調しています。このように、同じルート音のコードをマイナー→メジャーと変える進行は、切ない感情を表現するにあたって、非常に効果的なことがあります。

8小節目の「♪大丈夫~」の部分では、ヴォーカルで「ぶ」の音が、「シ」から「ド#」まで徐々に上昇させる歌い方がなされています(このヴォーカルのテクニックって、何か用語がありましたでしょうか。楽器なら「ピッチシフト」とか「ピッチベンド」みたいな言い方がありますが…)。

更に、その小説の最後の1拍では、ストリングスの音で「ソ」の音が強調されています。これは、コード譜に示したC#7にも、本曲の調であるF#マイナーのスケールにも含まれない音であるため、一瞬ですが非常にインパクトがあります。本当はコードの表記にも反映させようと思ったくらいですが(GdimとかCとか)、おそらく「ソ」の音を出しているのはストリングスだけで、逆にギターなどでこの音を強調して演奏すると、違和感が大きくなってしまうように思えたので、コード譜にはC#7のみしか書いていません。

本曲のヴォーカルの最高音は、「♪好きなままで」「♪何もいらないと」「♪キスをして」の部分で使われている「ラ」の音です。3か所とも高さは同じですが、最後の「♪キスをして」の部分だけはファルセットを使っています。

あとは歌詞についての感想。タイトルは「ハッピーエンド」ですが、歌詞を聴く限りでは、「本当は別れたくないけど、無理やりハッピーエンドに持っていこうと強がっている女性の、切ない失恋」を歌っているように思います。「♪嘘だよ」なんて言ってるけど、実際は全然嘘じゃないみたいな、そんな感じでしょうか。イントロのところでも少し触れましたが「ハッピーエンド」というタイトル、ある程度楽しそうな楽曲という先入観を持ちながら聴いたため、とてもインパクトを感じました。

本曲はバックナンバーの楽曲の中でも、かなり人気が出るのではないでしょうか。王道進行というのもありますが、メロディーも歌詞もアレンジも、僕個人としてはかなり好みの楽曲でした。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク