Linked Horizon「心臓を捧げよ」のコード進行解析

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本記事では、Linked Horizonの楽曲「心臓を捧げよ」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は管理人の耳コピによって行っております。

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「心臓を捧げよ」の概要

本曲は、2017/5/17発売のLinked Horizonのアルバム「進撃の軌跡」に収録予定の楽曲です。

アニメ「進撃の巨人」2期の主題歌で、1期の「紅蓮の弓矢」「自由の翼」に続いてOPの担当となります。タイトルの「心臓を捧げよ」は、作中に出てくる調査兵団の敬礼の際に発せられる言葉です。

著作権的に掲載可能な動画がなかったため、動画のリンクはありませんがご了承ください。

「心臓を捧げよ」のコード進行

「紅蓮の弓矢」や「自由の翼」と非常によく似た雰囲気の楽曲で、リンホラらしさが全開の楽曲です。

上記の2曲がそうであったように、本曲も非常に多くの転調が行われています。特に、本曲で特徴的なのは「同じメロディーを、違う調で演奏する」という手法が多く取られていることです（「紅蓮の弓矢」の後奏等でも用いられています）。

まず、Aメロは、前半8小節がF#マイナー、後半8小節がAマイナーの調ですが、キーが違うだけでコード進行は全く同じです（Ⅵm→Ⅰ等のローマ数字で表した時の表記が全く同じになる、という意味です）。

同様に、Bメロの最初の4小節と、その次の4小節も、F#マイナーとAマイナーで、同じコードが奏でられています。

そして、サビでは最初の8小節がAマイナー調で、そのうちの7小節が、サビ後半ではCマイナー調になっただけで全く同じコード進行になっています。

更に、後奏の前半4小節はCマイナーで、後半4小節がE♭マイナーで、ここもやはり調が違うだけで同じパターンです。

よって、「同じメロディーを違う調で演奏する」がAメロ、Bメロ、サビ、後奏の4パートで用いられていることになります。

ちなみに、使われている転調は全て、キーが3つ上がるか下がる、「同主調」への転調。アニメバージョンだけでも6か所で転調が確認できます。

同主調によって同じメロディーを奏でる曲は、これまでもなかったわけではありませんが（すぐに思いついたのはDEF.DIVAの「好きすぎてバカみたい」です。他にもあると思いますがパッと出てきませんでした…）、ここまで頻繁に転調が繰り返されるのは、リンホラならではと言えるでしょう。

また、本曲の転調のうち、3キー上がる方の転調(Aメロの8小節目、Bメロの4小節目、サビの8小節目）では、普通の楽曲で行われるのとはちょっと違った転調の仕方をしています。

サビを例にとって説明しますと、転調直前の部分では、E(Ⅲ)sus4→E(Ⅲ)というパターンが使われているのですが、Eを挟んで転調する場合、通常は、3音下のF#マイナーに転調しそうなものです。何故なら、EというコードはAマイナー調と、F#マイナー調のいずれでも自然に使用することができるコードだからです。逆に、F#マイナーの3つ上のCマイナー調において、Eというコードは、ほぼ使用されることはないコードで、Aマイナー調から3つ上に転調するのであれば、Esus4→Eではなく、Gsus4→Gというコード進行を持ってきた方が自然なのです。

つまり、Esus4→Eというコードを持ってきて、「3つ下のキーに転調するかな」と思わせておいて、実際には3つ上に転調するという、いい意味で期待を裏切るような進行になっているため、聴き手に大きな印象を与えることができるのではないかと思いました（ちなみに、AメロではⅢsus4→Ⅲの前に、Ⅶ♭というノンダイアトニックコードが出てくるため、転調のインパクトが更に増しています）。

ヴォーカルのキーは、最高音が「ラ」、最低音が「ファ#」、音域は1オクターブ+3音となっております。

今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。