高橋優「光の破片」のコード進行解析・楽曲の感想

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本記事では2016年8月31日発売の、高橋優「光の破片」の耳コピによるコード進行の他、簡単な音楽的な解説や楽曲の感想を書いていこうと思います。

高橋優／光の破片（通常盤）

高橋優「光の破片」の概要

本曲は、高橋優の15作目となるシングルで、アニメ「orange」のＯＰ曲です。高橋優はフォークギターを片手に楽曲を歌う、メガネがトレードマークのフォーク系のシンガーソングライターで、Rihwaに提供した「明日はきっといい日になる」の他、「さくらのうた」「生まれた理由」などがヒットし、徐々に注目を浴びつつあるアーティストとなっています。

本曲はアニメ「orange」の作者のオファーを受け高橋が作詞・作曲を行った、「万華鏡」がテーマの楽曲とのことです。

上の動画は、Youtubeの高橋の公式チャンネルに投稿されているもので、楽曲は1コーラスのみとなっています。したがって、当記事のコード進行や楽曲の解説もフルではなく、ワンコーラスのみとなりますがご了承ください。

「光の破片」のコード進行

イントロ

イントロは、ピアノとアコギだけの静かな部分から始まり、そのあと多くの楽器が追加されます。コード進行はⅥm→Ⅲmと進む、カノン進行の代理コードを使用したパターンで、比較的多くの楽曲に使われています。楽曲のキーはGメジャー（Eマイナー）で、少なくとも1コーラスの最後までは、転調はありません（G→Emの平行調の変化は転調には含めないものとします）。

イントロの最後に、ギターのアルペジオがあり、この部分にダイアトニックでない音（F）が使用されているため、伴奏が消えるのと相まって、聴いている人をハッとさせる部分となっています。あえてコードを割り当てるとすればFまたはCsus4あたりが最適とは思いますが、この部分は和音で弾かない方が自然と思うので、N.C.（コードなし）と表記させていただきました。

Ａメロ

AメロはⅠ→Ⅴのカノン進行。使われているコードもメロディーにも、特殊な音は全くなく、極めて素直で自然な旋律とハーモニーが続きます。全体を通してEマイナー調の楽曲ですが、この部分だけは完全にGメジャーの響きが強く出た、明るい部分と言えるでしょう。

1，2小節目のDはベース音をF#とすることで、ベース音がG→F#→E→F#→Gと、スムーズに流れるようになっています。分数コードを使わない場合でもほとんど同じような響きではありますが、興味がある方は分数コードの場合とそうでない場合で弾き比べてみてください。

Ｂメロ

ギター以外の楽器が鳴りやんでいったん静かになります。イントロと同じⅥm→Ⅲmのコード進行で、歌謡曲など切ない曲調によく使われているパターンです。サビやAメロは比較的明るい響きを持ちますが、いったんここで切なさを出しておいて、サビで上げようという構成なのかもしれません。

最終小節のBaugも、細かい部分ですが、augを使うことで味を出しています。BとCが合体したような、何とも言えない響きです。なお、Bメロではリズムが4拍子ではない箇所があり、4小節目が2拍の小節となっております。

サビ

サビのコード進行は、Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmと進む典型的な王道進行です。1回目で王道進行を使い、2回目はⅣ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅲと変化するパターンで、この進行は多くの楽曲で見ることができます。Gで解決したと思いきや、一転、Bで次に続くような響きを出して、サビの後半に続くわけですね。

最高音はラ（A）です。この音自体は、男性ヴォーカルの楽曲としては決して高い音ではないのですが、高い音が長くにわたって続くため、全体として高いキーの楽曲であるような感じを受けます。

まとめ

高橋優「光の破片」のコード譜を耳コピで採譜し、その解説をしました。

この曲は、Aメロは典型的なメジャー調のコード進行のため、明るいイメージを持ち、Bメロは逆にマイナー調の進行で切なさを持った構成なのですが、サビは多くの王道進行の楽曲がそうであるように、明るさと切なさを兼ね備えたような響きになっています。

メロディーもコードも素直なものであるため、（キーの高さは別として）歌うのも、演奏するのも、比較的入りやすい楽曲と言えるのではないでしょうか。