JY(知英)「好きな人がいること」のコード進行解析・感想(9/19 フルコーラスで追記)


本記事では2016年8月31日発売の、JY「好きな人がいること」の耳コピによるコード進行と、音楽的な解析、および純粋な楽曲の感想を書いていこうと思います。

JY「好きな人がいること」の概要


本曲は、桐谷美玲が主演しているフジテレビの月9ドラマ「好きな人がいること」の主題歌で、ドラマと同名の楽曲となります。

歌手のJYは、韓国のダンスボーカルユニットKARAの知英(ジヨン)のことです。JY名義では2016年3月に「最後のサヨナラ」というシングルを発売し、週間7位に入るヒットを記録しました。本作は、日本でのソロとしては2作目のシングルとなります。

楽曲はオルゴールのイントロから始まり、アコギと軽楽器を中心とした構成のラブソングで、リズムはシャッフルに近い3連符系の楽曲となっております。

上の動画は、楽曲の権利者がYoutubeに投稿している公式の動画ですが、1コーラスのみが流れています。したがって、当記事の解説もワンコーラスのみとなります。

※2016/9/19 フルコーラスを追記しました(ただし、動画はショートバージョンのままとなりますので、ご了承ください)。

「好きな人がいること」のコード進行

イントロ

|D♭|A♭|B♭m|G♭|D♭|Fm|E♭m7 E♭|A♭sus4 A♭|(N.C.)|
|D♭A♭|G♭A♭D♭A♭/C|B♭m E♭|G♭/A♭|

最初はオルゴール(または鉄琴系の楽器?)とアコギのみの音からなる静かなイントロが流れ、いったん伴奏が止まり、そのあとはピアノ、アコギ、ストリングスなどを含んだノリのよいイントロが始まります。キーはD♭メジャー(=C#メジャー)なので、ギターで演奏する場合はカポを1フレット目につけて、記載したよりも半音下のコード(C→Gなど)を弾くと、演奏が簡単になるでしょう。

最後のG♭on A♭は、ドミナントの音の上にサブドミナントのコードが乗ったもので、それぞれのコードだけを弾くのでは得ることのできない独特の感覚が味わえます。ドミナントの代わりに使われることが多い複合コードです。(このコードは、ギターのみでも奏でることができます。抑え方は FonG+ギターなどの検索ワードで調べてみてください。それを1フレットずらせばG♭on A♭になります)

Aメロ

|D♭A♭|G♭D♭|B♭m Fm|G♭ A♭|
|D♭A♭|G♭D♭|B♭m Fm|G♭A♭D♭・|

ピアノの音はいったん鳴りやみ、アコギによる和音と、ハンドクラップによる裏打ちのリズム、それらに加えて、かすかに聞こえる鉄琴系の音のみの、静かなAメロです。音が少ないのと、特殊なコードがないため、コード聞き取りは非常に容易でした。

前半でⅠ→Ⅴというメジャーコードの基本的な進行をした後、後半はそれらの代理マイナーコードによる進行(Ⅵm→Ⅲm)を繰り返す展開で、これはサビでも使われています。ダイアトニックスケール外の音は一切存在しない、コード理論に忠実な部分と言えますが、ボーカルのメリハリによって退屈さが感じられない展開となっています。

Bメロ

|B♭m Fm/A♭|G♭|E♭m A♭|D♭|
|B♭m Fm/A♭|E♭/G|E♭m A♭|D♭|
|D♭A♭|G♭D♭|B♭m Fm|G♭A♭D♭・|G♭/A♭|

Bメロでドラムとベースが追加され、賑やかになってきます。この部分で特筆すべきなのは、6小節目のE♭(Ⅱ)でしょう。この部分はダイアトニックから外れた音が入っているため、聴く人をハッとさせる効果があるのですが、更にその部分でボーカルも高音を伸ばす作りになっているため、サビ以外では一番の見せ場とも言えるでしょう。

Bメロ後半(コード進行の3行目)は、再度楽器が止んでAメロと同じメロディーを歌った後、サビに入ります。普通の曲ではこのような部分はなくいきなりサビに入ることが多いので、音楽の構成上も、また、歌詞の上でもこの部分は特に聴き手に伝えたい部分なのではないかと推測できます。Bメロの最後は、イントロでも出てきたG♭on A♭が使われていますね。

サビ(1コーラス)

|D♭|A♭/C|B♭m|G♭|
|B♭m|Fm|E♭m7 E♭7|A♭sus4 A♭|
|D♭|Fm|B♭m A♭|E♭/G|
|G♭ A♭|Fm B♭m|G♭ A♭|D♭|
|G♭ Fm|E♭m7 D♭|G♭ D♭/F|A♭sus4 A♭|

サビはD♭(Ⅰ)→A♭/C(Ⅴ/Ⅶ)→B♭m(Ⅵm)と進み、いわゆるカノン進行です(2016/9/19 2小節目FmとしていたのをA♭に修正しました)。7小節目は、最初の2拍がE♭7(Ⅱm7)で後半がE♭7(Ⅱ7)で、これはBメロで説明した6小節目の部分と同じ響きになります。単にE♭mだけを弾くのと半音だけの違いですが、より味わい深く聞こえるはずです。

サビの後半はⅠ→Ⅲmと進みます。この部分は、前半のカノン進行と似ていますが、ルート音も異なることから響きとしては大きく違って聞こえます。

そして、その直後。ここにもE♭(Ⅱ)が登場しますね。ここはリズムが止まるボーカルの見せ場。Bメロでも似たような箇所がありました。そのあとの|G♭ A♭|Fm B♭m|はおなじみの「王道進行」となっています。

2コーラス以降

2016/9/19 フルコーラスを聴いたので追記します。

※Aメロ~サビ繰り返し

●サビ(2コーラス)
|D♭|A♭/C|B♭m|G♭|
|B♭m|Fm|E♭m7 E♭7|A♭sus4 A♭|
|D♭|Fm|B♭m A♭|E♭/G|
|G♭ A♭|Fm B♭m|G♭ A♭|D♭|

●間奏
|G♭M7|G♭M7|Fm7|B♭sus4 B♭7/A♭|
|G♭M7 Fm|E♭m D♭|B|A♭sus4 A♭|

●Cメロ
|D♭A♭|G♭D♭|B♭m Fm|G♭A♭D♭・|
|G♭/A♭|〃|

※サビ(1コーラス)繰り返し

●後奏
|D♭|

まとめ

JY「好きな人がいること」のコード譜を耳コピにより解析しました。基本的には理論に忠実でほとんど特殊なコードは使われない中、見せ場と思える何か所かで、Ⅱという特殊コードが使われれていることがわかります。また、ⅣonⅤの分数コードもいいところで使われています。

本曲は、複雑なコードをあまり使用しないため、半音下げるかカポを使うかすれば、ギターによる演奏はかなり簡単な部類に入るので、楽器ができる方は弾き語り等もチャレンジしてみてください。

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