安室奈美恵「Dear Diary」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/10/26発売の安室奈美恵の新曲「Dear Diary」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「Dear Diary」の概要

本曲は、安室奈美恵の46作目のシングルで、10/29上映予定の映画「デスノート Light up the NEW world」となっています。ピアノとストリングスをメインとするバラード調の楽曲です。

※2016/10/20 イントロ追加

「Dear Diary」のコード進行

●イントロ
|Dsus4/C|Dsus4|Dsus4/B|Dsus4/E|
もしくは
|C|D|Bm7|Em7|

●Aメロ
|CM7|D Em7|CM7|D Em|
|CM7|D Em7|
|C D G G/B|C D G・|

●Bメロ
|Dsus4|Em7|Dsus4|C D|

●サビ(1コーラス)
|C|G|D|Em D|
|C|G|D|A7|
|C/D D|

※Aメロ、Bメロ繰り返し

●サビ(2コーラス)
|C|G|D|Em D|
|C|G|D|A7|
|C/D|

●Cメロ
|CM7|Bm7|Em|D|
|CM7|Bm7 E7|Am G F|D E♭|

●ラスサビ
|D♭|A♭|E♭|Fm E♭|
|D♭|A♭|E♭|B♭7|
|D♭/E♭ E♭|

イントロ

ピアノの右手で和音を弾き、左手でパワーコードの音を弾くパターンです。ピアノの音から判断してDsus4/Cのような変わった表記で書きましたが、C→D→Bm7→Em7という王道進行でも構わないかもしれません。

Aメロ~Bメロ

イントロに続いて、ピアノでハーモニーを出しています。3つ目のEm7と書いたコードがなかなか聞き取れなくててこずりましたw(Em7と書きましたがG6のようにも聞こえます)。

本曲のキーはGメジャー(またはEm)で、楽譜だと#が1つのみの調性です。ラスサビ以外は転調していません。

コード進行はC(Ⅳ)→D(Ⅴ)→E(Ⅵ)mという456進行ですが、セブンスの音が非常によく聴いており、Em7の部分はGに近い響きになっています。最後のフレーズはコードが1拍ずつ変わって複雑に見えますが、使っているコードを見ると、基本的なスリーコードだけです。

Bメロは英語歌詞の短い部分。D(Ⅴ)sus4とした部分は、単にDかどちらか迷ったのですが、どちらでもほとんど同じような響きになるとは思います。

サビ

ストリングスやドラムなど多くの楽器が一気に入って盛り上がります。サビのメロディーは、Aメロのオクターブ上と同じフレーズから始まります。コード進行はC(Ⅳ)→G(Ⅰ)→D(Ⅴ)と、不安定なサブドミナントから、一旦安定するトニックコードに落ち着いてから再度物語が始まるような印象のコード進行です。Ⅰから始まる進行や、Ⅳ→Ⅴと進む進行に比べると、使用例は少ないですが、珍しいというほど少ないパターンでもありません。例えば、レベッカの「フレンズ」のサビはこれと全く同じコード進行です(曲調は違いますが…)。

8小節目で使われているA7(Ⅱ7)は、Ⅱmの代わりに使われることが多いノンダイアトニックコードです。Ⅱmだと当たり障りのない感じですが、Ⅱを使うことによって、ちょっとオシャレで砕けたような感じを出すことができます。

Cメロ~

Cメロでは、E7(Ⅵ7)とF(Ⅶ♭)という2種類のノンダイアトニックコードが確認でき、それぞれ味わいがある響きを出しています。

Cメロ最後のE♭は、ノンダイアトニックコードというよりは、次のラスサビの転調の導入部分とみるべきでしょう。ラスサビで半音上がる転調を行う楽曲は、非常に多くありますが、その多くが本曲と同様に、直前の部分でドミナントコードを半音上げる方法が使われています。このため、本曲ではラスサビ先頭ではなく、その直前の部分で転調のインパクトを感じる構成になっています。

ヴォーカルの最高音は、ラスサビの後半部に一瞬だけ登場する「ファ」ですが、この部分を抜かして考えても、高音の部分が多く続く楽曲だと思います。

本曲はデスノートの映画に使われるという事で、映画の世界観とどのようにマッチしていくのか、ということも非常に興味深いところです。

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