本記事では、2016/9/11発売の嵐の新曲「Power of the Paradise」のコード進行と、音楽的な解説、および簡単な感想を書いていきます。
目次
「Power of the Paradise」の概要
本作は嵐の記念すべき50枚目のシングルで、日テレのリオ五輪のテーマソングであったため、既に耳にされていた方は多いのではないかと思います。
楽曲はサウンドに奥行きが感じられ、非常に壮大な感じを受けます。他の記事のようにYoutube動画を貼り付けて紹介したいところですが、著作権上問題のない動画が見つからなかったため、楽曲を聴かれる場合は、CDを購入していただくか、テレビなどを録画したものを視聴していただくようお願いいたします。また、コード譜は僕の耳コピによるもので、1コーラスのみとなっておりますがご了承ください。
「Power of the Paradise」のコード進行
イントロ
|E|F#|G#m|B|E|F#|B|Bsus4 B|
ストリングスの音色と、打ち込みのようなインパクトのある打楽器でイントロが始まります。9小節目からはシンセの音やメンバーのコーラスも入り、イントロからいきなり壮大な世界に引き込まれたような感じがして、イントロを聴いただけで、わくわくするような感覚を持ちました。
コード進行は、前半はⅠ/Ⅲ→Ⅳというパターン。単にⅠ→Ⅳとするのと構成音は同じですが、ベース音がⅢにあることで少し違ったフィーリングがあります。
後半はⅣ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅰと進むパターンで、サビと同じコード進行であるため、詳細はサビのところで説明します。
本曲のキー(調)はBで、1コーラスまでの時点では転調はしていません。
Aメロ
|G#m|F#|B|B|E|F#|B|B|
Aメロはストリングスやパッドと思われる音が聴こえる一方で、ベース、ギターといった、多くの楽曲で使われる楽器の音が聴き取れませんでした。ただし、和音のフィーリングははっきりと聴くことができるため、コード採譜はそれほど難しくはありませんでした。バンドスコアに直せと言われたらかなり厳しものがあるでしょうけど(笑)。
イントロに比べると音数も少ないようですが、それでも壮大なフィーリングは継続しており、アレンジだけでなく楽曲のマスタリングについても、非常に素晴らしい出来であることが伺えます(音数が少ない音楽を、胸に響かせるように音源化するってとっても難しいんです)。
Bメロ
4ビートを強調するようなリズムのBメロです。コード進行はB/D#→E→F#と書きましたが、最初のコードはD#mでも良いかもしれません。どちらを弾いてもそれほど不自然な感じがしませんでした。サビの手前ではボーカル以外の楽器が止まり、一呼吸置くような演出が用いられています。
サビ
|E|F#|G#m|B|E|F#|B|B|
サビのコード進行は、イントロの後半とほぼ同じで、456進行等と呼ばれることがあります。僕のサイトではサビの最初の2つのコードによって様々な楽曲をパターン分けしており、嵐のシングル曲でどのようなコード進行が多く使われたかを集計したことがあります。
その結果、Ⅳ→Ⅴと進むパターンは嵐のシングル曲の中では、一番多いコード進行となっておりました。嵐に限らず、多くのアーティストで1位か2位の使用率を誇るコード進行と言えます。
ただし、Ⅳ→Ⅴの後のコードまで含めて他の楽曲を見てみると、そのほとんどはⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmと進むいわゆる「王道進行」のパターンであるため、本曲のように、Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅰと進むものは、嵐のシングルにおいては初めてという事になります。
メロディーでの最高音は、サビの最初のフレーズの「ソ#」です。男性キーの楽曲としてはそれほど高いものでないので、高音が苦手な方でも原曲でチャレンジしたい楽曲ですね。
間奏~ラスト
※2016/9/17 フルコーラスを聴けたので、コード譜のみ追加します。
|E|F#|G#m|G#m|E|F#|G#m|G#m|
●Cメロ
|E|F#|D#|G#m|C#m7|B/D#|E|F#|
|B/D#|E|F#|G#m|B/D#|E|F#|(N.C.)|
※サビ繰り返し
●後奏
|E|F#|G#m|G#m|E|F#|G#m|G#m|
|E|E|
まとめ
嵐の「Power of the Paradise」を耳コピによってコード譜を採譜しました。使われていたコードは全てBメジャースケールにおけるダイアトニックコードであり、コード進行においては基本的な者ばかりであり、特殊なテクニックは全く使われていないと言っても間違いではないでしょう。
しかし、奥行きを感じる壮大なスケールのアレンジにより、イントロの時点から圧倒されてしまうような感覚になりました。このような楽曲の音作りはどのようにすればできるようになるのか、非常に興味があるところです。