桑田佳祐「君への手紙」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/11/23発売の桑田佳祐の楽曲「君への手紙」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「君への手紙」の概要

本曲は、桑田佳祐のソロ作品としては17作目のシングルで、6月発売の「ヨシ子さん」以来の作品です。映画「金メダル男」の主題歌に使用されている他、前作に続きWOWWOWのCMソングとなっています。

「君への手紙」のコード進行

●イントロ
|D|D|

●Aメロ
|D|Bm|G|A|
|D|Bm|G A|D|

●Bメロ
|Bm|F#m|Em A|D|
|Bm|G|A|D|☆D|

※Aメロ、Bメロ繰り返し(☆の小節を除く)

●サビ
|D|D|Bm|Bm|
|G|A|F#m|Bm|
|D|D|Bm|Bm|
|G|A|D|D|

●間奏1
|D|D|

※Aメロ、Bメロ繰り返し(☆の小節を除く)

※サビ繰り返し

●間奏2
|A|A|D|D|A|A|G|D|

●後奏
|D|D|Dm7|G|D|

冒頭はアコギのみの伴奏で、途中からパッド系の楽器やドラムも入りますが、全体的にシンプルなアレンジのロックバラード曲です。楽曲のキーは、Dメジャーで、楽譜だと#を2つ使う調です。ギターで弾く場合はカポなしでも問題はないでしょう。

使われているコード進行は、Aメロとサビで、D(Ⅰ)→B(Ⅵ)m→G(Ⅳ)→A(Ⅴ)というコード進行が採用されています。このコードは、最近だとAKB48などのアイドル曲にも多く使われていますが、半世紀前の時代から、洋楽のポップス・ロックなどでも多く使われてきたコードのパターンです。桑田のソロシングル曲のサビでは、少し古いですが1994年の「祭りのあと」が、最初の2つのコードが一致しています。

サビの5小節目からはG(Ⅳ)→A(Ⅴ)→F#(Ⅲ)m→B(Ⅵ)mの「王道進行」。メジャー系統のコード進行と王道進行を組み合わせたパターンも非常に多くの楽曲で使われています。

1曲を通して特殊なコードはほぼ使われていませんが、唯一ノンダイアトニックな響きを持つのは、後奏の3小節目の部分。D(Ⅰ)m7ともF(Ⅲ♭)ともとれるコードの響きですが、いずれにせよ「同主調」のキーで使用するコードを臨時に使用したものであり、コードによるインパクトを唯一感じられる部分となっています。

70年代くらいの洋楽と言われても信じてしまえそうな、シンプルなメロディーにシンプルなコード進行、シンプルなアレンジの曲で(悪い意味で言っているわけではありませんよ)、キラキラ音や重低音が多い今日の売れセンのJ-POPの中では、こういった楽曲はとても貴重な存在に思いました。桑田佳祐の楽曲では、本曲のような聴かせるバラード以外にも、歌謡曲のような楽曲、ミドルテンポの王道J-POP、コミカルで意味不明な楽曲など、実にバリエーションがあり、そのどれを歌っても様になっているところが本当に素晴らしいと思います。

カップリング曲の「悪戯されて」の記事も書いておりますので、興味があればぜひご覧ください。

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