虹のコンキスタドール「限りなく冒険に近いサマー」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/9/20発売の虹のコンキスタドールの新曲「限りなく冒険に近いサマー」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「限りなく冒険に近いサマー」の概要

本作は女性アイドルユニット「虹のコンキスタドール」の6作目のシングルです。作曲は、BABYMETALやでんぱ組.incにも楽曲を提供している村カワ基成氏。

CD媒体での発売としては昨年8月の「THE☆有頂天サマー!!」以来ですが、その際はオリコン週間3位を記録しており、今作も好売上が期待されます。

「限りなく冒険に近いサマー」のコード進行

●イントロ
|A B♭ B|C C# D|
|A G# G|F# F E|(全て単音のみ)

●Aメロ
|Dm|Dm|Dm|Dm|Dm|Dm|Dm|Dm|
|A|A|A|A|
|Dm|Gm|Dm|Gm|Dm|Gm|A|A|
|Dm|Gm|Dm|Gm|Dm|Gm|A|A|

●Bメロ
|B♭M7|C|Am|Dm|
|B♭|C|F|F|
|B♭M7|C|A/C#|Dm|
|B♭|B♭|C|C#m5|
|Dm|A♭G|C|C|

●サビ
|F|F|C#aug|C#aug|
|Dm7|Dm7|Cm|F|
|B♭|C|Am|Dm|
|Gm7|Gm7|C|C|
|F|F|C#aug|C#aug|
|Dm7|Dm7|Cm|F|
|B♭|C|Am|Dm|
|Gm7|Gm7|C|C|
|Dm|C#aug|F/C|G/B|
|Gm Am B♭・|D♭E♭|F|F|

※イントロ繰り返し

●Aメロ(2コーラス)
|Dm|Gm|Dm|Gm|Dm|Gm|A|A|

※Bメロ、サビ繰り返し

●間奏
|B♭|C|Dm|Am|B♭|C|Dm|Dm Am|
|B♭|C|A/C#|Dm|
|Gm7|F/A|B♭|C|C|

●Cメロ
|B♭|C|Dm|Am|
|Gm7|Am|Dm C#aug|Cm7 F|
|B♭|C|Am|Dm|
|Gm7|Gm7|C|C|(N.C.)|(N.C.)|

●ラスサビ
|F|F|C#aug|C#aug|
|Dm7|Dm7|Cm|F|
|B♭|C|Am|Dm|
|Gm7|Gm7|C|C|
|Dm|C#aug|F/C|G/B|
|Gm Am B♭・|D♭E♭|F|F|

●後奏
|F|C/E|Dm|F/C|
|B♭|Am|Gm|C|
|F|C/E|Cm/E♭|D|
|Gm Am B♭・|D♭Csus4|
|Gm Am B♭・|D♭Csus4|
|Gm Am B♭・|D♭E♭|F|

イントロ

イントロはドラムとベースでハードロックな感じを出しています。ロックの楽曲でよく見られるように、この部分では和音の演奏はないため、表記したコードはルート音のみです(和音で弾いてしまうとおかしな響きになってしまうので注意してください)。前半2小節はAから半音ずつ上がり、後半2小節は逆に半音ずつ下がるアレンジとなっています。

Aメロ

Aメロは前半12小節が、イントロのハードロックな感じを引き継いだ部分です。Dmというコードを8個続けましたが、ベース音としてはA♭、G等の音も混じっています。ただ、それらの音がコードのルート音になっているわけではないので、ベースの音は表記から外しました。

後半の16小節はスカのようなノリの良いリズムに変わります。楽曲の調はDマイナーで、楽譜で書けば♭の調号を1つだけ使う調性です。

Bメロ

Aメロラストの4小節目あたりから再度ハードロックな曲調に戻ります。Bメロのコード進行はⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmと進む、「王道進行」と呼ばれるコード進行で、J-POPで非常に多くの楽曲に用いられているパターンです。

後半では3つ目のコードをⅢmからⅢに変えることで、似たような響きでありながらより深みがあるようなニュアンスを出しています。これも非常によく使われるテクニックです。

サビ

1度聞いたら耳に残りそうなフレーズが特徴的なサビです。コード進行はⅠ→Ⅴ#augと進むパターンです。このⅤ#augは、Ⅰaugと構成音が同じでベース音だけが異なるコードです。

Ⅰaugを使うコード進行としては、Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6→Ⅰ7のいわゆる「クリシェ」が知られており、本曲の進行も構成音だけ見ればこの進行にそっくりなのですが、ルート音が異なるので「クリシェ」とは呼びません。上記のクリシェは頻繁に使われますが、本曲のような進行は割と珍しいのではないかと思います。

後半8小節では、Bメロでも使われた王道進行が再度使われていますね。更に、最後の方では、ルート音がD→C#→C→Bと半音ずつ下がるテクニックが、その次のG→A→B♭のところでは逆に、ルート音がいい感じのリズムとともに上がるテクニックが使われています。更にその後のD♭→E♭は非ダイアトニックなⅥ♭とⅦ♭を使用しており、これらはⅠを誘導しつつ大きなインパクトを与えるコード進行として、頻繁に使われます。

2コーラス以降

2コーラスでは1コーラスに比べてAメロが大幅にカットされているという特徴の他、細かいところではサビ直前の音が一瞬止むところ(「♪私を見てなきゃ」の直前)で、ゲームのピコピコ音のような音色が使われていて、ここがいい感じのスパイスになっていると思いました。

続いて、間奏のところですが、9~10小節目あたりでピアノの非常に細かい演奏が入ります。この部分が奇妙な感じを出していて、良いアレンジだなと思いました。音が細かすぎて譜面を耳コピするのは不可能でしたが、楽譜があれば演奏に挑戦してみたいところです。

他にも各所で様々なテクニックが使われており、アイドル曲とはいえ音楽的にレベルの高い楽曲であると思いました。

ちなみに、ヴォーカルのキーは、サビ5小節目の「レ」。女性アイドル曲としては、かなり高い音が長く続く楽曲だと思います。

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