小倉 唯「Future Strike」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/11/2発売の小倉 唯の楽曲「Future Strike」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「Future Strike」の概要

本曲は、声優兼歌手の小倉唯の7作目のシングルで、本人も出演をしているアニメ「ViVid Strike!」の主題歌となっております。作曲を担当したのは、小倉唯のデビュー曲「Raise
」の他、ゆいかおりや、ラブライブ、AKB関連のグループ等でもヒット曲を提供している俊龍氏。編曲は、小倉唯の楽曲では初となる小高光太郎氏。氏は、2005年のmelody.の「realize」の作曲や、2015年のmiwaの「夜空。feat.ハジ→」の編曲など、アニソン・アイドルソング以外でのヒット曲も多くかかわっている方です。

「Future Strike」のコード進行

●サビ
|D♭M7|E♭|Fm7 Eaug|A♭/E♭ Dm7-5|
|D♭M7 C7|Fm7 Eaug A♭/E♭ Dm7-7-5|
|B♭m7|Cm7|D♭M7 E♭|Fsus4 F|

●イントロ
|Fm7 D♭|E♭・A♭ E♭/G|
|Fm7 D♭|E♭ A♭|
|Fm7 D♭|E♭・A♭ E♭/G|
|Fm7 D♭|E♭ A♭|

●Aメロ
|D♭|E♭|Cm7|Fm7|
|D♭|E♭|Cm7|E♭m A♭|
|D♭|E♭|Cm7 C7|Fm7 E♭|
|B♭m7 Cm7|D♭ E♭|
|E G♭|A♭sus4 A♭|

●Bメロ
|D♭|E♭|Cm7|Fm7|
|B♭m7 Cm7|D♭ Gm7-5|
|Csus4|C|

●サビ
|D♭M7|E♭|Fm7|Fm7 E♭|
|B♭m7|A♭/C|Gm7-5|C|
|D♭M7|E♭|Fm7 Eaug|A♭/E♭ Dm7-5|
|D♭M7 C7|Fm7 Eaug A♭/E♭ Dm7-5|
|B♭m7|Cm7|D♭M7 E♭|Fsus4 F|

出だし~間奏

本曲はサビ(正確にはサビの後半)から始まります。サビのコード進行についてはサビの箇所で後述するとして、本曲のキーはFマイナー(A♭メジャー)で、楽譜だと♭が4つの調です。

イントロは打ち込み系のような強い響きを持つ音色が主旋律になっており、非常に速いテンポの楽曲です。コード進行は、F(Ⅵ)m→D♭(Ⅳ)のいわゆる「小室進行」。小倉唯のシングルでは、どちらかといえば田村ゆかりのような可愛い系の楽曲が多く、本曲のような「カッコいい系」の曲調は珍しい印象があります。実際にこれまでのシングル曲6曲の中では、本曲のようなマイナーコードから始まる楽曲は、同じ作曲家によるデビュー曲「Raise」以来です(ただし、石原夏織とのユニット「ゆいかおり」には、本曲のような曲調も存在します)。

Aメロ~Bメロ

Aメロは前半は静かなパートで、コード進行はD♭(Ⅳ)→E♭(Ⅴ)→C(Ⅲ)m→F(Ⅵ)mの「王道進行」です。8小節目のE♭(Ⅴ)m→A♭(Ⅰ)の部分では、コードもやや特殊なものが使われてるのですが、「ダダッ、ダダッ」というリズムを強調するアレンジが使われています。この小説の2つのコードと、リズムは、ラブライブの楽曲である「snow halation」のAメロで使用されていたものと同じで、ライブのコールも非常に盛り上がる部分です。ラブライブサンシャインの「想いよひとつになれ」という曲でも同じようなリズムが使用されており(この曲の場合は、コードは異なります)、アニソン界では流行りのアレンジなのかもしれません。
Aメロの13小節目から16小節目では、ノンダイアトニックなコードもいくつか含みつつ、ルート音がB♭からA♭まで滑らかに上昇しています。分数コードを使わずに、約1オクターブの間ルート音を上昇し続けるコード進行は、比較的珍しいのではないかと思います。

Bメロもコードは王道進行です。1~4小節目のボーカルの輪唱、5~6小節目の裏の拍を強調するリズム、6~8小節目のG(Ⅶ)m7-5→C(Ⅲ)sus4→Cという、おなじみのコード進行など、アレンジ上の様々なテクニックが使われています。

サビ

サビのコード進行は、D♭(Ⅳ)→E♭(Ⅴ)まではA,Bメロと共通していますが、そのあとはⅢmではなくF(Ⅵ)mへ移行しています。

サビで特筆すべきなのは、Fm7→Eaug→A♭/E♭→Dm7-5という進行で、11~12小節目までは2拍ごとに、14小節目では1拍ごとにこの4コードが切り替わる進行が使われています。この進行は、ルート音が半音ずつ下がりながら、ルート音以外の部分はほぼ固定で移動しており、「クリシェ」と言われるテクニックの一種です。この部分も含めて本曲のサビではルート音が滑らかに推移している箇所が多く、むしろルート音が半音か2音以外に飛んでいる箇所は数えるほどしかないのが特徴です。コードだけ見てみると、「なぜこのコードがここに?」と思うこともあるかもしれませんが、ルート音に着目すると、実はルート音を滑らかに動かすためだったことが分かることも多々あります。

なお、ヴォーカルの最高音はBメロの「♪優しい」という部分で一瞬だけ登場する「ミ♭」、最低音はAメロの歌い出し他複数回登場する「ラ♭」、音域は1オクターブ+5音となります(2コーラス終了時点)。

本曲は、小倉唯と聴いて思い浮かべる楽曲のイメージとはかなり異なる、カッコよくテンポの速いメリハリとした曲調で、ライブ等でもコールを入れながら盛り上がってみたい楽曲だと思いました。

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