初めてのアマチュアライブ観覧~チケットの取り方、楽しみ方を解説~


ライブのイメージ「バンドやってる友達にライブに誘われたけど、どうすればいいかわからない」
「チケット取り置きしておくね、と言われたけどどういう意味?」

など、主にアマチュアのバンド・歌手のライブハウスにおけるライブを見に行く際の注意点を初心者の方のためにまとめた記事です。

アマチュアのライブに参加する場合、主な理由としては、「そのアーティストが好きだから、どうしても行きたい」、というよりは、「ライブに出演する知り合い、友人、家族などに来てほしいと頼まれた」場合がほとんどではないでしょうか?

その場合、「行くのはいいけど、チケットももらってないし予約とかどうするの?」とかちんぷんかんぷんだなことも多いと思います。丁寧な出演者さんの場合は、ちゃんと教えてくれるのですが、その辺をきちんと説明しないで誘ってくる出演者も多いのです。

本記事では、まずは一番疑問が多いと思われるチケットのことについて説明し、その後はライブに参加した時の注意点、楽しみ方などを紹介していきたいと思います。

チケットについて

アマチュアのライブは、プロのライブとチケットの売り方が大きく異なります。

プロのアーティストは、外部の委託会社(ぴあ、イープラス等)にチケット販売を委託し、参加者はそこから購入するのが普通ですが、アマチュアはそこまでの力はありませんから、自分の力で売るしかありません。その方法として、主に「手渡し(前売り)」と「取り置き」があります。

手渡し(前売り)の場合

ライブ出演者と直接会って、ライブを見に行くという話になった場合は、その場でチケットの手渡しが行われることがあります。この場合はそれほど難しいことはありません。あなたがライブ出演者に対してお金を払い、チケットをもらう。そして、当日ライブハウスに行くだけです。

一つ注意点を上げるとすれば、チケット代とは別に、ドリンク代が必要になる点です。どこのライブハウスも500円~1000円未満といった程度ですが、このお金は、ライブ出演者には払わず、会場で受付の人に払うことになります。

取り置きって?

チケットの取り置きの場合、注意することがいくつかあります。取り置きのことを説明する前に、まずはアマチュアのライブのお金のシステムについて簡単に説明していきたいと思います。

アマチュアのライブでは、ライブハウスから、参加者それぞれに「ノルマ」というものが課せられます。たとえばノルマが5人の場合、「お客さんが5人に満たなかった場合は、その分のチケット代は利益が支払わないといけない。その代り、5人を超えた場合はチケット代のうち何割かは出演者の利益になる」といったものです。ノルマの人数は、ライブハウスの規模や、その出演者がワンマン(あるライブイベントに、1組だけ参加する)か、対バン(複数のバンドが出演する)かにもよりますが、とにかく、アマチュアの出演者はまずはそのノルマを達成する(=お客さんを呼ぶ)のが、金銭的にも、ライブハウスとの信用を失わない意味でも、非常に重要なことになります。

ここで、チケットの話に戻りますが、ノルマを達成したかどうかを判断するためには、当然ながら自分のお客さんが何人来たかを管理する必要があります。多くのアマチュアバンドは、対バンで他の出演者と一緒に出ることになるので、どのお客さんが自分の客として来たかを管理する方法として、取り置きシステムと言うものがあります。

取り置きとは、出演者がライブハウスに対して「私のお客さんとして○○さんと△△さんが来ます」とあらかじめ知らせておき、その人が本当に来れば、そのお客様がノルマの人数としてカウントされる、というシステムです。

これとは別に、手渡し(前売り)で売ったチケットも、その出演者のお客さんとしてカウントされます。

チケット取り置きの流れと注意点

前置きが長くなりましたが、取り置きの場合、皆さんはどのようにすれば良いのでしょうか?簡単に流れをまとめました。

  1. ライブの出演者に対して、観に行くという意思を「はっきり」伝える
  2. チケットが前売りか取り置きかを確認。取り置きの場合は、名前と人数を間違いなく伝える(本名でなくても良い)
  3. ライブ当日、ライブハウスの受付で「○○(出演者の名前orバンド名)で取り置きをお願いしていた△△(あなたの名前)です」と言う。
  4. お金を払う(前売り券代+1ドリンク代)

このような感じになります。

まず重要になるのは、1番の「はっきりと行く意思を伝える」と言う点です。出演者側からすると、一番困るのは「来るか来ないかよくわからないお客さん」なのです。

例えば、出演者がSNSなどでライブの募集を掛けた時に、「行けたら行くね~」とコメントをする人を良く見かけます。書いている方は悪気があって書いてるわけではありませんが、出演者側からすると、このような書き込みが非常に困ります。何故なら、来るか来ないかが不明だから、取り置きのリストに回すかどうかに悩むからです。ライブハウスに知らせるのものなので、来ない可能性が高い人をなるべくならリストに回したくはありません。

だから、もし行く意思があるのなら、「ぜひ行きたいので、チケットの取り置きをお願いします」とまで書いてください。そうすると出演者さんもとても喜びます。

これは、自分から書き込む場合だけでなく、相手から「ぜひ来てほしい」と誘われた場合も同じです。行く気もないのに、出演者さんを悲しませないために、とりあえず「行く」、という返事をするのは、実際に来なかった時に余計に悲しませる結果になります。取り置きで予約していたお客さんが来ないのは、金銭的にも精神的にも、出演者の大きな負担になってしまうからです。

もし行く気がないのであれば、嘘でもいいので「用事がある」といって、はっきりと断ってください。断られたら多少のショックを受けるでしょうけど、行くかもしれないと言っておいて来ない方が、はるかにショックは大きいのです。

そして、当日、取り置きをしていたことを受付で言うのを忘れないようにしましょう。親切なライブハウスだと、受付の方が聞いてくることもありますが、何も言われないこともあります。

取り置きをしたことを言わないと、当日券を購入する、という扱いになりますが、当日券はお客さんにとっても出演者にとっても以下のようなデメリットがあります。

取り置き(前売り)で購入しないと・・・

取り置きをしていたことを申告せずに当日券を買ってしまうと、お客さんにとっても出演者にとってもデメリットがあります。
まず、お客さんにとってのデメリットとは、「チケット代が高くなる」という点です。どのライブハウスでも、前売り券(手渡しと取り置き)は当日券よりも500円~1000円引きであることが多いので、取り置きを予約しているのに当日扱いで入場するのは、お金の無駄です。

また、出演者にとってのデメリットは、その人が呼んだお客さんの数としてカウントされなくなるということです。取り置きは、予約をした時点ではなく、そのお客さんが実際に来た時点で初めて、自分が呼んだお客さんとしてカウントされます。したがって、せっかく取り置きの約束をしていても、受付でそれを言い忘れて当日券を買ってしまうと、出演者にとってはそのお客さんが来なかったのと同じ扱いになってしまい、それによってノルマを達成できないということもあるのです。

このように、取り置きの申し出を忘れると、お金を損するばかりでなく、出演者さんを傷つけてしまうことになるので、受付では、取り置きをしていることを忘れずに言うようにしましょう(前売り券を既に持っている場合は、その必要はありません)。

ライブ出演者に知り合いがいない場合のチケット入手方法

上記の2つの方法(前売り券の手渡し、取り置き)は、いずれもライブの前に出演者と連絡を取っている場合の方法です。

でも、ある程度人気があるアーティストだったり、音楽の勉強のために行ってみたいとか、地下アイドルのイベントに参加してみたいなど、出演者に知り合いがいなくても、アマチュアのライブに参加したいというケースも考えられます。

この場合は、当日に会場に行って当日券を購入するのもありでしょう。ただし、人気のバンドやイベントだと、当日は既に満杯で入れないということもあり得ます。ただ、そのくらい人気のアーティストの場合は、ネット等で検索すると前売り券の取り置きをメールやTwitterなどで受け付けている場合もあります。その場合は、知り合い等でなくても、メール等で取り置きの予約をしておいた方が、金額的にも得ですし、「行ってみたけど入れなかった」ということにもなりません。

人気のアーティストでなくても、連絡先を公開しているアーティストの場合は、勇気を出して連絡して前売り券の取り置きを頼みましょう。よほどギリギリ前日とかではない限り、嫌がられることはまずあり得ません。むしろ自分の客が増えて喜ぶ出演者の方が多いはずです。複数のアーティストが出演する時は、そのイベントの主催者に連絡を取るのが良いです。

連絡の例文としては、「初めまして、○○と申します。△△様のホームページで、○月×日のライブイベントの記事を見て、興味を持ちました。1名でチケットをお取り置きお願いできないでしょうか?」と言った感じで良いかと思います。

ライブに行く前のその他の注意点

出演時間

複数のアーティストが出る対バン方式の場合、チケット以外に気になることは、あなたの目当てのアーティストが出演する時間がいつか、という点です。知らない人ばかりが出るライブに何時間も拘束されるのは厳しいものがあるでしょう。

多くの場合は、出演者自ら、あるいは、ライブハウスのホームページ等で、タイムテーブルを公開するはずですので、それを見て行けばいいのですが、アマチュアのライブの場合は、時間通りに事が進まないことが多くあります。

たとえば1組の出演者がドタキャンした場合、以降の出演者が繰り上がって出演することもあります。また、機材の故障などで大幅に時間が押して、1時間程度遅れることもあります。

こういうことがありますので、目当てのアーティストが出る時間帯に確実に間に合うためには、出演が予定されている1時間以上は前から来場しておくのが無難です。

ライブハウスの場所

ライブハウスは、地図で場所を調べて行っても、よく迷います。というのも、ごちゃごちゃした場所にあったり、外からはすぐにわかりづらい地下にあったりすることが多いからです。ある程度集客力があるアーティストのライブなら、行列ができていてすぐにわかりますが、そうではない場合簡単にたどり着けない場合も多いです。

ですから、迷っても大丈夫なように、あらかじめ時間に余裕をもって出かけましょう。また、ライブハウスの連絡先もメモするなどして、すぐ連絡が取れるようにした方がいいかもしれませんね。

ライブが始まってからの注意点、楽しみ方

アマチュアのライブの雰囲気、プロとは違う様々な点

アマチュアのライブは、同じライブハウスでもプロのライブとは異なる点がいくつもありますが、主なものとして以下の2つを挙げます。

  • お客さんが非常に少ないことがある
  • 出演者が自分の出番でない時に客席にいることがある

まず、お客さんの数ですが、多くのバンドはお客さんを呼ぶことに苦労しており、ノルマを全く達成できない出演者も少なくありません。小規模なアマチュアのライブだと、お客さんの多くは、出演者の友人や家族、職場の同僚などが誘われて来た人ばかりであり、アーティストのファンが自発的に来る、というケースはある程度の人気が出たアーティストの場合だけです。僕が経験したものでは、お客さんが自分1人しかいなかった、ということもあります。

ライブと言うと、大勢のお客さんの中でもみくちゃになってワーワー盛り上がるようなものを想像するかもしれませんが、アマチュアの場合はそうでないケースも少なくはない、ということは頭に入れておいてください。

そして、プロとは違う点その2ですが、「出演者が、自分の出番ではない時に客席にいる」という点です。これは、上記の様にお客さんが非常に少ないライブでよくある光景です。客席にお客さんが数人しかいないと、お客さんは非常に気を遣ってしまいます。そういうことがないように、出番でない出演者がお客さんと一緒になって盛り上がり、ステージを温めるのです。会場に来たばかりの人から見れば、それなりの人数のお客さんが入っているように見えるので、お客さんも気を使うことなく客席に来られるというわけです。

また、お客さんが多いライブであっても、出演者がお客さんと交流を深めるために客席にいることも、アマチュアではよく見られる光景です。

アマチュアライブの楽しみ方

ある程度お客さんが入っているライブだと、自分が何もしなくても周りが勝手に盛り上がるので、周りに合わせていればある程度楽しむことはできるでしょう。それならばプロのライブと楽しみ方はそう変わりはありません。

しかし、お客さんの数が10人にも満たないライブだと、そうではないケースもあります。

歌は下手、リズムもバラバラ、ボーカルの声もろくに聞こえない、曲も知らないし全然いい曲ではない・・・

おまけに、客席を見ると数人しかおらず、みんな白けきっている・・・。

こんな光景はアマチュアのライブだと、普通にあります。このような状況で、楽しめるわけがないじゃないか、と思われるかもしれません。

でも、そういった表情は、ライブを見ている最中はなるべく出さないでおきましょう。

演技でもいいので、リズムに乗って肩を振ったり、手拍子をするくらいはしてもいいのではないかと、個人的には思います。

人によっては「そんなのは出演者のためにならない」とか、「金を払って観る側がそこまで気を使う必要がない」と言う意見もあるでしょうし、確かに、それも一理あるとは思います。でも、僕は、つまらなかったり酷い演奏と思ったのなら、ライブ中ではなく、終わった後に指摘してあげればいいと思います。

そんなことを気にしなくても、普通に楽しめるライブであればそれに越したことはないのですが。そればっかりは行ってみないとわかりませんからね。

こんなことを書くと、アマチュアのライブはすべてつまらないものだという誤解を与えるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。僕が参加したものの中にも、プロのライブに引けをを取らないほどのもの盛り上がりを見せたライブもたくさんあります。

そもそも、つまらないか面白いかは見る人次第です。人によってはワーワー盛り上がってうるさいよりも、こじんまりした感じのライブの方が好きという人もいるでしょうし、この辺は考え方、感覚の違いにすぎません。

帰るタイミングについて

目当ての出演者の演奏が終わったら、いつ帰ったらいいんだろうと思います。お客さんがたくさんいれば問題ないのですが、お客さんが少ない場合、非常に帰りづらい雰囲気があるとは思います。

しかし、これについてはお客さんの自由なので帰っても構いません。最後までいなければいけないという義務はありません。ただ、できるだけ休憩時間や演奏の合間などに帰るようにしましょう。演奏中に帰るのは、出演者も気にしますし、暗い会場だとドアを開けた時に結構目立ってしまいます。

また、出演者と友達の場合、帰りはその人と一緒に帰りたいと思われるかもしれませんが、その場合はその友人とその日の予定をあらかじめ決めておいた方が良いです。というのも、出演者は礼儀として出番が終わっても最後までいるのが普通ですし、終演後もチケットの清算やら撤収作業やら打ち上げなんかもある場合があり、合流できるのがいつになるかわからないからです。

まとめ

アマチュアのライブは、確かに歌や演奏の腕はプロに比べると劣ることがあるのは事実です。お客さんの盛り上がりも数も、イマイチのことも多いでしょう。

でも、出演者と普通に客先で会話できたり、ステージと客席の敷居がほとんどなかったりと、プロのライブではない面白さも備えているのも事実です。

初めてのライブ観戦で不安はあるかもしれませんが、ライブを楽しめるかどうかは、皆様次第かもしれませんよ♪

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