今回は、プロのアーティストによるライブハウスでのライブに参加する際の楽しみかたと、注意点を紹介していきます。
ホール、アリーナ、ドームなどの座席指定型のライブと共通する部分も多いですが、ライブハウスの場合に独特な注意点がいくつかあります。当記事ではライブハウスに独特な注意点を記していきます。
重複を避けるため、共通の説明については、ホール編に書いておりますので、以下の記事も読んでいただけると幸いです。
目次
ライブハウスとホール等のライブはどう違う?
ライブハウスにおけるライブの特徴として、以下が上げられます。
- 座席指定がなく、オールスタンディング方式である
- 人数の規模はホール等に比べて小さい
- チケットとは別にドリンク代が必要であり、基本的に飲み物の持ち込みは不可である
他にも細かいことはありますが、大まかにいえば以上の3点と言えるでしょう。
特に、最初の「オールスタンディング」であるがゆえに、知っておかないと大変なことになる様々な注意点がありますので、ホール等とは記事を分けさせていただきました。
ライブ当日!始まるまでの注意点
ライブ前日までに注意しておくことは、共通編と特に変わりありませんので、そちらの記事を参照していただけたらと思います。
ライブの楽しみ方、注意点 ~ホール、アリーナ、ドーム編~
しいて言うなら、参加しようとしているアーティストのライブがどんな雰囲気なのか、映像等があれば一度見ておいた方がよいかもしれません。
持ち物について
まず、チケットは必須です。当然ですね。忘れても入れてくれるほど甘くはありません。必ず出発前に確認しましょう。ファンクラブ限定イベントなどだと、紙のチケットの代わりに携帯などの当選メールがチケットの代わりになることも多いです。その場合も、そのメールがすぐに開ける状態にしておきましょう。
それから、ドリンク代も必要です。さすがに無一文で出かけるということはないでしょうが、最悪でもドリンク代が払えるだけのお金は持っておきましょう。金額は、チケットなどに書かれていることも多いですが、書かれてない場合はライブハウスのHP等で調べておき、お釣りが出ないようにしておくと入場がスムーズに済みます(だいたい、500円以上、1000円未満であることが多いです)。ライブハウスは盗難も多いので、むしろドリンク代とグッズ代を買う以上の現金は持たないことをお勧めします。ロッカーを使う予定の方はロッカー代も必要です。
また、ホール編では水の持ち込みが必須と書きましたが、ライブハウスの場合は水であっても持ち込みが禁止されていることが多いです。その代り、ドリンクはカウンターで注文する形式になります。
大きな荷物についてはできるだけ駅などのロッカーに預けてください。僕の場合は、チケット、現金、携帯、ペンライトをポケットに入れてそれ以外は駅のロッカーに預けてから、ほぼ手ぶら状態でライブハウスに向かうようにしています。
服装について
服装についてもホール等に比べて注意する点が多いです。
大前提としてライブハウスというものは、前後左右の人と押し合いへし合いになることが多いです。そこまで極端な状態にならないアーティストでも、ホール等に比べると周りの人との距離はかなり短いです。ですので、ぶつかった時に相手が痛いようなものや、すぐ壊れてしまうようなものは絶対に身につけないでください。トラブルの元です。たとえば、ヒールや厚底の靴はやめた方がよいです。その他、とがった部分があったり、高価なアクセサリ等もやめた方がいいです。
あと、女性の方の場合ですが、ライブのどさくさに紛れて痴漢行為を働いてくる不届き物がいるそうなので、あまりに露出の高い服装やミニスカートなどは避けた方が良いと思います。極端に匂いがきつい香水等も周りの方に嫌がられる可能性があります。
何分くらい前に会場に着けば良いの?
これは、皆様がお持ちのチケットの整理番号と、皆様が「少しでも前の方に行きたい」と考えているかどうかによります。
もし、「初心者のうちは後ろの方でいいや」とお考えであれば、開場時間を過ぎてから行っても問題ありません。
ただし、チケットの整理番号がかなり若い番号で、「少しでも前の方に行きたい」と考えているのなら、開場時間よりも十分以上前には会場に到着しておくべきです。なぜかというと、ライブハウスのチケットの場合、開場時間とほぼ同時くらいに、整理番号の若い順に呼び出しを行い、入場した人から自由に場所を取っていいからです。当然、ほとんどの人は前に行きたがりますので、前の方はあっという間に埋まってしまい、せっかくいい番号のチケットを持っていても、遅れて言ったせいで後ろの方で見るハメになることはよくあります。
それから、トイレはできれば会場に着くまでに済ませておきましょう。仮に前の方に場所を取っても、トイレに行ってしまったら、戻ってきた時には後ろの方で見ることになります。
入場の方法は?
ホールなどの場合は、基本的に開場以降はいつでも入場がOKで、中に入ってから自分の席を探すという形です。
一方、ライブハウスは「整理番号」というものがチケット(または当選メール)に記載されており、この番号順に入場することになります。会場周辺に既に入場待ちの列ができていることが多く、おおまかに何番から何番まではこの辺、といった掲示がされていますので、自分の番号が示されている近くで待つことになります(この列は割り込んでも問題ない列ですが、一応、割り込むときは「〇番ですか?」「〇番です」「じゃあここ失礼しますね」くらいの挨拶はあった方がいいでしょう。
大きなライブハウスだと、入場待ちの列ができている場所は、公共の道路であることが多く、一般の歩行者や、車も通っているかもしれませんので、マナーや安全には十分気を付けましょう。「〇〇のファンはマナーが悪い」などと言われないようにしましょうね。
開場時間になると、スタッフさんが「整理番号1番の方どうぞ~」「2番の方どうぞ~」というように、整理番号順に呼び出していきます。番号が大きくになるにつれて、「100番までの方どうぞ~」「150番までの方どうぞ~」のように、区切り方がおおざっぱになっていきます。自分の番号または、その番号が含まれる範囲が呼ばれたら、入場場所まで移動しましょう。その際、上でも挙げた「チケット」「ドリンク代」は用意しておきましょう。
もし来場が遅れてしまった場合でも、自分が持っている整理番号よりも現在呼び出されている番号の方が大きければ、入場口に行ってもかまいません。
入場したら何をする?
入場してから、観覧エリアに移動する前にできることは以下の3点です
- 荷物をロッカーに預ける
- グッズを購入する
- ドリンクを注文する
どうしても前に行きたい人は、すべてを省略して観覧エリアに急ぎましょう。
席にこだわらない人は、ロッカーの使用、グッズの購入など必要であれば済ませましょう(グッズの購入はライブ後も可能な場合が多いですが、人気商品は売り切れてしまう可能性が高いです)。
あと、ドリンクの注文ですが、ここは注意すべきことが一つあります。500円以上の高いドリンク券を払っているので、アルコールなどを頼みたいと思う方がいらっしゃるかもしれません。ただ、アルコール等はグラス等に注がれて出てくることが多いので、これをライブが始まった後に、少しずつ飲んで、終わったらグラスを返す・・・などということは不可能です。したがって、アルコールを頼む場合は、その場で飲んで、返却して、そこから観覧エリアに移動する、という形になってしまうでしょう。
よって、ライブを見ながら少しずつ飲みたいという人は、「水」を頼むことをお勧めします。何故なら、水を注文するとペットボトルで渡されることが多いので、ライブの途中もそれほど邪魔にはないからです。また、受け渡しも水が一番スムーズに済みますので、入場してからそれほど時間のロスなく観覧エリアに移動することができます。
500円も払って水なんて・・・と思うかもしれませんが、ライブハウスはドリンク代で採算を取っているようなものですから、「ドリンク代もチケット代のうち」と割り切ってしまった方が良いと思います。
なお、お金さえ追加で払えば、飲み物は2杯目以降も注文することもできます。
前に行く場合の注意!
整理番号が小さく、早く会場につけば、前の方の場所を取れる可能性は高いです。しかし、ライブ初心者が前の方に行くにあたって、注意しておかないといけない情報があります。それは、今回参加するアーティストのライブで「モッシュ」や「ダイブ」といった行為が行われるか?ということです。
「モッシュ」とは観客が押し合いへしあいして、もはやもともといた場所にどどまることが不可能なほどもみくちゃな状態になることです。「ダイブ」とは、その状態から、さらに観客が他の観客の上に乗っかり、胴上げのような状態になって移動する行為です。
これらの行為は、どのアーティストでも行われるということではなく、主にハードロック、ヘビメタ、パンクなどの激しい曲を演奏するアーティストのライブで発生することがあります。ポップスやアイドルのライブならほとんどありません(むしろ禁止事項に挙げられていることの方が多いです)。
モッシュやダイブは非常に危険な行為で、しかも自分にその気がなくても巻き込まれてしまうことがあります。これらの行為により痛ましい事故が発生したというニュースもたびたび目にします。そして、これらの行為は通常、ライブ会場の前の方のエリアで起こりやすいのです。
ですから、参加しようとしているアーティストのライブで、それらの行動が行われるかどうかはあらかじめ調べておいてください。もし行われる場合で、巻き込まれるのが嫌な場合は、仮に良い整理番号を取ったとしても、後ろの方で観るのをお勧めします。
モッシュ等が発生しないようなライブであっても、前方は人口密度が濃いことが多いので、わざと後ろの方に行くお客さんもたくさんいます。
なるべくよくステージが見える場所取りのコツ
ライブに行くからには、やはりなるべく近くでよくステージが見える席がいいですよね。整理番号が若ければ前の方を陣取れますが、そうそうそんな番号は当たりませんし、上でも述べたモッシュ等の危険性もあります。
とはいえ、後ろの方ですと前の人の頭しか見えない!といった状態になることも多々あります。一つ場所取りのコツを挙げるとすれば「直前に背の低い人がいる場所を狙う」ことがあげられます。前方ならともかく、中盤よりも後ろの方であれば、1列、2列の違いはほとんど感覚的には変わりません。それよりも、直前に背の高い人がいるかどうかの方が自分の視界にとって重要になってきます。
おとなしめのアーティストであれば、最初に陣取った場所からそうそう途中で場所が移動するようなことも少ないので、最初にそのような場所をとってしまえば、多くの時間を良い視界で過ごせる確率が上がるでしょう。
また、全てのアーティストではありませんが、最近では女性限定エリアも増えています。女性限定エリアは前方にある代わりに、中央ではなく右か左の端の方に寄せられている場合が多いです。無理に前列中央に行こうとするよりは、女性限定エリアに入った方がステージが良く見える場合が多いです。男友達や彼氏と来た場合や、どうしても中央で観たいという場合でなければ、背の低い女性は、女性限定エリアに行くことをお勧めします。
ちなみに、足の下に何かを敷くなどして身長を稼ぐのはマナー違反なのでやめましょう。厚底やヒールも、転んだり隣の人を踏んだりするリスクが高いので控えた方がよいでしょう。
また、人をかき分けて無理やり前に行く行為は、開演前も開演後も、絶対にやめましょう。仮にお連れの人が前にいるなどの理由があっても、好ましくありません。(モッシュも似たようなものじゃないかと思われるかもしれませんが、モッシュは「押す」ことはしても、「割り込む」といったことはしません)
あまりライブハウスに慣れてない方が遅れてやってきて、「整理番号1番を持ってるんだから、前に行ってもいいでしょ」と言って強引に前に行こうとしてるのを見たことがありますが、いくら良い整理番号を持っていても、既に場所が埋まっているのに前に行くことはできません。
ライブが始まったら・・・
ライブが始まってから気を付けてほしいことの多くは、ホール、アリーナ、ドーム編で述べたこととほとんど変わりません。盛り上がり方がわからない場合は周りに合わせるといったことや、恥ずかしがらずに参加すること、アンコールはできるだけ行うようにすることなどです。
また、録音、録画等の行為や開演後の携帯電話、スマホの使用も当然ながら厳禁です。
ホール等とは異なる点を挙げるとすると、上記でも述べたようにモッシュ等の行為が発生することがあります。そこまでいかなくても、自分の立っていた場所から動かざるを得ない場合は多々発生します。たとえば、前の人が何らかの事情で抜けたときなどは、詰めることになりますし、盛り上がりが最高潮に達すればモッシュとまではいかなくても、全体的に前へ前へ押される感じになるでしょう。
それほど激しいライブでなくても、他のお客さんとの距離が近いため、意図せず接触してしまうこともしばしばあります。そういう時はいちいちトラブルになっても損をするだけなので、なるべく当たらないように気を付けましょう。明らかにこちらの不注意で当たってしまった場合は、「すいません」と頭を下げて謝ることも大事です。
ペンライトを振ったり手を挙げたりする場合も、ホールライブよりも余計に気を使う必要があります。ライブに夢中になると、周りが見えなくなってしまいがちですが、盛り上がっていたらいつのまにか周りにひんしゅくを買っていたということがないように気を付けましょう。
そういった接触等が苦手で、ゆったり観たいという場合は、なるべく後ろの方に行くことをお勧めします(ただし、満杯の場合は後方であっても多少の接触はありえます)。
狭い中に大勢のお客さんが敷き詰められますので、ある程度の接触や息苦しさは仕方ないと割り切ってください。
ライブ後に気を付けること
ホール等とは異なり、規制退場があるところはほとんどありません。しかし、割り込み等はせず順序良く列になって退場しましょう。
グッズ購入やドリンク引き換えがまだの場合は、退場前に済ませてください。ライブ後に握手会やハイタッチ会などが行われる場合は、係員の指示に従って待ちましょう。
また、ホール編でも述べたように、ツアー最中での曲目や演出のネタバレは厳禁です!興奮してTwitter等でつぶやいてしまうことがないよう気を付けましょう。
まとめ
書いてきたように、ホールなどのライブと比べて注意点が多かったと思います。
もしかしたら、この記事を読んで、「ライブハウスのライブってとても怖いものなんだ。やっぱやめておこうかな…」と考えてしまった人もいるかもしれません。でも安心してください。僕が書いてきたことは、あくまで「こういうことが起きる場合があるよ」という例を挙げた程度であり、毎回のように、上で書いたようなトラブルが起きているわけではありません。僕自身、何十回もライブハウスに行ってますが、危険な目にあったことは一度もありません。モッシュやダイブだって、大半のライブではそうそう発生するものではありません。
確かに、ホール等で行われるライブに比べると、初心者には敷居が高いように思いますが、ステージをより間近に見ることができ、迫力のある演奏を聴くことができるのも魅力的です。注意するべき点は多いですが、人として最低限の節度、気遣いを持つことさえ心がけていればきっと、普段のストレスを思いっきり発散し、良い意味で記憶に残るようなような出来事になると思います。ぜひ皆さんも、ライブハウスでのライブを経験してみてください。
長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。