ナノ「DREAMCATCHER」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/11/2発売のナノ(nano)の楽曲「DREAMCATCHER」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「DREAMCATCHER」の概要

本曲はナノの7枚目のシングルで、アニメ「魔法少女育成計画」のエンディングテーマとして使用されています。デビュー5周年記念と銘打って、2016年末から2017年春にかけて、シングルを2作、アルバムを1作をリリースする予定となっており、その第一弾となる作品です。

作詞は本人が、作曲は上記アニメのエンディングの「叫べ」他、ナノの「SAVIOR OF SONG」やAKINOの「海色」などを手掛けたWEST GROUND氏となっています。

「DREAMCATCHER」のコード進行

●イントロ

●Aメロ(1コーラス)
|Bm|Bm|A|A|GM7|GM7|A|A|
|Bm|Bm|A|A|GM7|GM7|A|A|

●Bメロ
|D|D|A|A|
|Bm|Bm|A|A|
|G|G|A|A|
|Bm|Bm|A/C#|A/C#|

●サビ
|D|D|F#m|F#m|
|Bm7|Bm7|A|A|
|Em7|Em7|D/F#|D/F#|
|G|E7/G#|A|A|
|D|D|F#m|F#m|
|Bm7|Bm7|F#m|F#m|
|Em7|Em7|D/F#|D/F#|
|G|E7/G#|A|A|

●間奏
|D|D|A/C#|A/C#|
|Bm7|Bm7|A|A|
|GM7|GM7|F#m7|F#m7|
|Em7|Em7|A|A|

●Aメロ(2コーラス)
|Bm|Bm|A|A|GM7|GM7|A|A|

※Bメロ繰り返し

※サビ繰り返し

●後奏
|D|D|F#m|F#m|
|Bm7|Bm7|A|A|
|GM7|GM7|F#m7|F#m7|
|Em7|Em7|A|A|
|D|

Aメロ~Bメロ

公式のMVでは、イントロはなく、静かな感じの伴奏の中、英語詞メロディーから始まります。

楽曲のキーはBマイナー(またはDメジャー)で、楽譜では#を2つ必要とする調です。出だしの部分は「Aメロ」と表記しましたが、この部分のメロディーは1コーラスと2コーラスで異なります。

ただ、コード進行はいずれもB(Ⅵ)m→A(Ⅴ)→G(Ⅳ)→A(Ⅴ)の繰り返しで、マイナー調のカッコいい系の楽曲で多く使用されているコードです。

Bメロに入ると一転して、D(Ⅰ)→A(Ⅴ)→B(Ⅵ)mというメジャー調の明るい「カノン進行」に変わります。調号は変わりませんが、曲の感じがガラッと変わります(ポップスにおいてはこのようなものは「転調」と呼ぶことは少ないですが、「平行調の転調」とみなす場合もあるかもしれません)。

サビ~

Bメロと同じく、メジャー調のD(Ⅰ)→F#(Ⅲ)m→B(Ⅵ)mという明るい系のコード進行です。カノン進行ほどではないにしても、多くの楽曲で使用例があるコード進行と言えますが、ナノのシングル曲に限って言えば、メジャートニック(Ⅰ)から始まるサビは、本曲が初めてのようです(他は、サブドミナントから始まるマイナー調の楽曲が多い)。

一部耳コピが怪しいところがあり、7~8小節目のAは、もしかしたらD/Aかもしれず、11~12小節目のD/F#は、F#mかもしれません。いずれにしても大きく印象が異なるほど間違ってるわけではないと思いますが、分数コードの分母を無視して弾くと、ちょっと原曲と違うように聴こえてしまうかもしれないので、分数コードを弾くのが難しい場合は、D/F#のところはF#mの方が無難かもしれません。

なお、14小節目で登場するE(Ⅱ)7/G#(Ⅳ#)は、確認できる中では本曲唯一のノンダイアトニックコードで、ベースラインが半音上がるのとあいまって、オシャレなテイストのある部分です。

本曲のヴォーカルのキーですが最高音は、サビで一瞬だけ登場する「シ」、最低音はそのオク下の「ラ」かと思われます。

コード進行以外の本曲の特徴として、ドラムのリズムがやや特殊という事が挙げられます。

サビのドラムパートの、バスドラとスネアだけを見てみると

|●●・〇・●●●|・〇・●●●〇・|

というようなリズムが続いていると思います(●がバスドラ、〇がスネア、・が何もなし、|~|が1小節の意味で書きました。これらの記号は僕が勝手に作った物で、一般的に使われているものではありません)。

ごく一般的な8ビートの曲は、|●・〇●●・〇・|とか、|●・〇・●●〇・|のように、スネアが3,7個目に来ることが多いのですが、本曲のスネアの入りはなかなか法則性が見えず、リズムをとるのが大変難しい楽曲だと思いました。

続いて、サビの後の間奏では

|●●〇・●〇・●|・●〇〇●〇●〇|

というカッコいいリズム(ただし、最初の●●は、1個目が付点8分音符で、2個目が16分音符)の繰り返しに変わっています。このリズムも、とても特殊なパターンです。テンポは変わってないのに、サビに比べるとだいぶスピード感が増したように聴こえますね。

更に、2コーラスのAメロ、Bメロも、これらとは微妙に異なり、かつ、通常の楽曲ではあまり耳にしないリズムが使われており、バスドラとスネアの音を聴くだけでも、色んなパターンがあって細かいなあと思った楽曲でした。

コード進行や音楽理論のブログのはずが、なんだかリズムのことがメインみたいな記事になってしまいましたね。

本曲のタイアップアニメ「魔法少女育成計画」のOPの「叫べ」(沼倉愛美)についての記事も書いておりますので、興味があればぜひ読んでみてください。

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