本記事では、2016/11/02発売の麻倉ももの楽曲「明日は君と。」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。
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「明日は君と。」の概要
本曲は声優・麻倉ももの歌手としてのソロデビュー曲で、作詞、作曲、編曲はHoneyworksが担当。典型的なハニワサウンドに基づく、アップテンポなピアノロック曲です。
「明日は君と。」のコード進行
●歌い出し
|G|C|D|G|
|G/B|C|D|Em|
|G/B|C|D B/D#|Em|
|Am7|D|
●間奏1
|G|C|D|G D/F#|
|Em|C|D|D C/E D/F#|
●Aメロ(1コーラス)
|G|D/F#|Em|D|
|C|G/B|C|D|
|G|D/F#|Em|D|
|C|G/B|Am7|D|
●Bメロ
|Em7|Bm7|C|G|
|Em7|Bm7|Cm|Cm|
●サビ
|G|C|D|G|
|G/B|C|D|G|
|G|C|D|G|
|G/B|C|D|Em|
|G/B|C|D B/D#|Em|
|Am7|D|
※間奏1繰り返し
●Aメロ(2コーラス)
|G|C|D|Em|
|C|G/B|Am7|D|
|G|D/F#|Em|D|
|C|G/B|Am7|D|
Bメロ、サビ繰り返し
●間奏2
|G|G|Gsus4 G|Gsus4 G|
●Cメロ
|G/B|C|D|Em|
|G/B|C|D|G|
|G/B|C|D|Em|
|G/B|C|D|(N.C.)|
●間奏3
|G|D/F#|Em|Bm/D|
|C|G/B|C|D|
|G|D/F#|Em|Bm/D|
|C|G/B|C|D|
※Bメロ繰り返し
●ラスサビ
|G|C|D|G|
|G/B|C|D|G|
|G|C|D|G|
|G/B|C|D|Em|
|G/B|C|D B/D#|Em|
|Am7|D|D|
●後奏
|G|C|D|G D/F#|
|Em|C|D|D|
|G|
作曲者の名前を見なくともそれとわかるほどHoneyworkの色が出た楽曲です。本曲のキーはGメジャーで、楽譜だと#が1つの調です。転調は行われていません。
サビはG(Ⅰ)→C(Ⅳ)というパターンで、1つ目のコードを分数コードにしたG/B→Cという進行も数か所で見られます。サビやCメロなどで見られるG/B→C→D→Em(またはG)というパターンは、これ自体が自然なコード進行であるのに加えて、ルート音がスムーズに上昇するため、非常に心地よく聴くことができ、Honeyworks楽曲では典型的なコード進行になっています。
BメロではE(Ⅵ)m→B(Ⅲ)mというパターンに始まり、サビ手前ではC(Ⅳ)mという「サブドミナントマイナー」で変化を加えながらサビへの期待を高めています。Honeyworksの楽曲ではコードを4つか5つくらいしか使わないシンプルなパターンの楽曲も多いですが、本曲はノンダイアトニックコードも含め、多数のコードや、コード進行を用いている印象があります。
それから、本曲では「カノン進行」が複数個所に登場します。まずはAメロ(2コーラスの最初は除く)。G(Ⅰ)→D(Ⅴ)/F#→E(Ⅵ)mという箇所はカノン進行の典型例と言えます(おまけに、ルート音をスムーズに下げる進行でもあります)。更にカノン進行が顕著なのはCメロの後の間奏(コード譜で「間奏3」とした部分)で、この部分は聞いていただけたら分かるように、コード進行だけでなく、ギターのアレンジそのものが、明らかに「パッヘルベルのカノン」を意識したメロディーになっています。カノンのアレンジやメロディーが登場する楽曲はJ-POPでも多数ありますが、Honeyworksの作曲した声優のデビュー曲で耳にするとは意外でした。
ヴォーカルのキーは、最高音が至るところに登場する「レ」、最低音がそのオク下の「レ」なので、音域はちょうど1オクターブです。音域はそれほど広くはないですが、Aメロの最初から高い音が使われ、全体的に高音域のヴォーカルです。
歌詞は、毎朝すれ違う気になる男性に対する初々しい恋愛を描いた、甘い甘い内容で、同じHoneyworksの「日曜日の秘密」を彷彿とさせる内容です。ルックスも歌唱力も申し分ない麻倉ももの本曲は、デビュー曲でありながらセールス面でも好成績をあげており、今後の作品にも注目が集まりそうです。