STU48「風を待つ」「出航」のコード進行解析


本記事では、STU48の楽曲「風を待つ」および「出航」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は管理人の耳コピによって行っております。

「風を待つ」/「出航」の概要

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「風を待つ」は2019/2/13発売のSTU48のシングルの表題曲で、「出航」はそのカップリング曲です。デビュー曲の「暗闇」から約1年ぶりの新作となります。

「風を待つ」のコード進行

●イントロ
|F|Dm|B♭|C|F|Dm|B♭|C|

●Aメロ(♪さっき見てた)
|F|Dm|B♭|C|F|Dm|B♭|C|

●Bメロ(♪日差しのように)
|F|Dm|B♭|C|F/A|Dm|B♭|C|

●サビ(♪風を待とう)
|F・・C/E|Dm・・C|B♭|Gm C|×4

●間奏
|F・・C/E|Dm・・C|B♭|Gm C|

●Cメロ(♪ああやがて)
|F|A (またはAaug?)|B♭|A/D♭|
|Dm|A/D♭|F/C|G/B|
|B♭|G/B|A/D♭|D♭|

●ラスサビ(♪風を待とう)
|G♭・・D♭/F|E♭m・・D♭|B|A♭m D♭|×4

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

作詞は秋元康氏、作曲はNGT48の「青春時計」等の作品がある大河原昇氏。楽曲の調はCメロまでFメジャーで、ラスサビで半音上がる転調が行われ、G♭メジャー(=F#メジャー)調になっています。

コード進行は基本的にはCメロを除き同じ進行、すなわち、F(Ⅰ)→D(Ⅵ)m→B♭(Ⅳ)→C(Ⅴ)が使われています。この進行は洋楽から邦楽まで、ポップスなどを中止に、半世紀も前から本当によく使われている進行です。

サビのみ少し変化させており、4小節目の最初に単にC(Ⅴ)とせずいったんG(Ⅱ)mをはさむことで、他のパートではなかったツーファイブの響きがここだけ聴けるようになっています。

サビもそうですが、Cメロの5小節目あたりからは、ベースラインを徐々に移行させて間にノンダイアトニックコードを挟むテクニックが使われています。9小節目(♪君を~)からの進行は、B♭(Ⅳ)→G(Ⅱ)/B(Ⅳ#)→A(Ⅲ)/D♭(Ⅴ#)となってますが、Ⅱ/Ⅳ#からいきなりⅢ/Ⅴ#が来るのは珍しい気がしました。その間にⅤを挟むタイプは良く見るのですが。そしてさらにその次にD♭というコードが来ていますが、このコードはFメジャーではほぼ使われることはないコードで、次のG♭調への転調のためのコードと言えるでしょう。結局、この部分は3小節にわたってノンダイアトニックコードが続くことになり、楽曲中で(コード的には)一番インパクトを感じる部分となっています。

ヴォーカルのキーは最高音がHi-B♭、最低音がMid2-F、音域は1オクターブ+5音となっております。

「出航」のコード進行

●歌い出し(♪船は)
|B♭|F|Gm|Fm B♭|
|E♭|B♭|E♭m|E♭/F|E♭/F|F|F|

●イントロ
|B♭|F|Gm|E♭|B♭|F|E♭|F|

●Aメロ(♪風と日差しの)
|B♭|F|Gm|E♭|Gm|F|E♭|F|×2

●Bメロ(♪晴れた空が)
|E♭|F|B♭|Gm|E♭|E♭|F|Gsus4 G|

●サビ(♪僕らは水夫だ)
|C|G|Am|Em|F|C|Dm|G|
|C|G|Am|Gm C|F|Em Am|Dm|G|

●間奏1
|C|C B♭sus4?|
|B♭|F|Gm|E♭|B♭|F|E♭|F|

※Aメロ、Bメロ、サビ繰り返し

●間奏2
|C|C|
|A♭|B♭|Gm|Cm|Fm7|Fm7|B♭|B♭|
|Gsus4|G|

※サビ繰り返し

●後奏
|C|C B♭sus4?|
|B♭|F|Gm|E♭|B♭|F|E♭|F|
|E♭|B♭|

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

作詞は秋元康氏、作曲はアニメ・ゲーム関連で多くの楽曲を担当している小野貴光氏。

コード進行は、サビ、イントロ、Aメロはいわゆる「カノン進行」(Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm)。3大コード進行の1つで、特にこの「カノン進行」はAKBグループでは非常に多いパターンです。サビの最初8小節は「カノン進行」の語源となったカノンと全く同じ進行ですが、9小節目からは途中でGm(Ⅴm)を挟むなどして変化をつけています。

さて、この曲は転調が複数回されています。まず、Bメロからサビに至る部分で、B♭メジャーからCメジャーに2キー上がりの転調をしています。この転調は、Bメロ最後のE♭(Ⅳ)→F(Ⅴ)→G(Ⅵ)sus4→G(Ⅵ)の部分でGsus4やGといったコードを入れることで、次のCから始まるコード進行に自然と移行できるようになっています。何故なら、GというコードはE♭→Fの延長線上にありながら、かつ、Cというコードを誘導しやすい性質を持っているためです。もし、Gsus4やGといったコードがなくいきなりCが来た場合、突然曲が変わったように聴こえるはずです(あえてそのように聴こえさせる楽曲もたくさんあるので、それがダメというわけではありませんが)。

そして、サビから間奏にかけて、再度B♭メジャーに戻るわけですが、ここでは単にC→B♭とする方法もあったかと思いますが、より自然にさせるためか、何らかのコードを挟んで転調しています。…しかし、恥ずかしながら、何度聴いてもこのコードを特定することができませんでした(コード譜には「?」をつけています)。B♭sus4にもC7にも聞こえましたが、そこまで変わったテンションコードのようなものではないはずで、何故耳コピできないのかと言った感じです^^;

続いての転調は、2番のサビから間奏に至る部分と、間奏からラスサビに至る部分で行われています。CメジャーからCマイナー(A♭メジャー)への転調(および、元に戻す転調)で、3キー変わる「同主調」への転調となります。ここの転調も見事なまでに自然に行われており、間奏に入る部分ではCが、間奏からラスサビに至る部分はGが、それぞれ前後の調の橋渡しの役割を担っています。CもGも、片方の調ではⅢ、もう片方の調ではⅤとして働くため、橋渡しのコードとしてこれらのコードはうってつけなわけです。おそらく、同主調転調では最も多く使われる手法かと思います。

ヴォーカルのキーは最高音がHi-C、最低音がMid2-A、音域は1オクターブ+3音となります。以上で今回の2曲の解説を終わります。

今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

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