[Alexandros]「Feel like」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/11/09発売の[Alexandros]のアルバム「EXIST!」に収録される楽曲「Feel like」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「Feel like」の概要

本曲は、4人組バンド[Alexandros](元[Champagne])の6作目のアルバム「EXIST!」に収録予定の楽曲で、グローバルワークのCMソングとして使用されています。

当該CMは、外国人が主に出演しており、本曲も全英語の歌詞であるため、初めて聴いた時は洋楽だと思われていた方も多いのではないでしょうか。

[Alexandros]は、アサヒビールのCM曲である「ワタリドリ」がとても有名で、アーティスト名や曲名に聞き覚えがない方であっても、楽曲を聴けば「あ~!この曲か」となるのではないかと思います。

「Feel like」のコード進行

●Aメロ
|FM7|G|Em7|FM7|×3
|FM7|G|
|(N.C.)|…

|FM7|G|Em7|FM7|×4

●サビ
|FM7|G|Em7|FM7|×4
|(N.C.)|

●Aメロ(2コーラス)
|FM7|G|Em7|FM7|×4

※サビ繰り返し

●Bメロ
|FM7|G|Em7|FM7|×6

●後奏
|FM7|G|Em7|FM7|

Aメロ

さて、コード進行を解説すると言ったはいいのですが、困ったことがあります。というのも、実はこの曲、FM7→G→Em7→FM7という4コードのパターンを繰り返すのみで、これ以外のコード進行が一切使われていないのです。

したがって、解説しようにも、どう解説したらいいんだろうと迷うわけですが、ひとまずはこのコード進行自体を解説した後、アレンジや歌詞などで気になった点を述べていこうと思います。

まず、このコード進行ですが、ローマ数字を使うと、Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅳ(セブンスはあってもなくても構いません)というもので、いわゆる「王道進行」と呼ばれるコード進行です。良く紹介されている「王道進行」は最後のコードがⅥmなのですが、本曲のコード進行も「王道進行」と見なしても問題はないでしょう。この「王道進行」は、明るい曲から暗い曲まで、アップテンポな曲からスローな曲まで、どのような楽曲にも使える、まさに「王道」的なパターンで、J-POPでは絶大な人気を誇っているコード進行です。

[Alexandros]の前作シングル「Swan」のサビも、最初のⅣ→Ⅴというところまでは共通しています(この曲はそのあと、Ⅵm→Ⅰと推移)。

ちなみに、本曲のキーはCメジャー(またはAマイナー)で、楽譜だと#も♭もつかない調になります。ただし、#や♭がつかないのは、あくまで楽譜の一番左の「調号」の話であり、メロディーでは「臨時記号」を使った「ミ♭」という音が何度か登場します。この音は、コードのハーモニー感には影響してはいませんが、メジャースケール外の音であるため、単に「ミ」を使うのに比べてちょっぴりオシャレで切ない感じがします(ミ♭が登場するのは、コード譜でGと示した小節内です)。

アレンジでよいと思ったのは、シンセのような音で、随所に聞こえる高くて短い音。この音は特に、ドラムやベースが入る前に目立っており、どことなく幻想的な感覚を出すのに一役買っているような印象を受けました。

サビ~

サビは、高音のコーラスがとても綺麗なパートです。5小節目のところで、ヴォーカルの最高音である「ド」が登場します。彼らの他の楽曲もそうですが、非常に高いキーの楽曲です。

Aメロのところで登場した「ミ♭」のようなスケール外の音は、メロディー、コード、伴奏ともに聴く限りでは登場しません。「ドレミファソラシド」のみの音で構成される、極めて基本に忠実な音楽構成であると言えるでしょう。

歌詞は、全英語詞のため、全ての部分を聞き取ることはできなかったのですが、MVに歌詞が表示されることから、「red…sliver」と、色の名前を連呼する部分はわかり易く聞き取れる部分で、とてもキャッチーなメロディーです。その直後は「kite」つまり「凧」を意味する単語が来ており、この部分は、「様々な色の凧のように、空を飛んでいる気分」(もしくは「飛びたい」という気持ち)を表しているのではないかと思います。

2コーラスサビの後の部分(コード譜では「Bメロ」と表記)も、コーラスがとても綺麗ですね。Youtubeの公式動画では、特にこの部分でギターのコードの押さえ方が非常に見やすくなっており、僕が耳コピで書いたコード譜との比較をするのにはうってつけの部分です。

押さえ方を見てみますと、FM7やGの部分はほぼ間違いないと思うのですが、Em7と示した部分は、動画ではEmを弾いているように見えます。楽曲を聞いた感じでは、セブンスの音にあたる「レ」の音も含まれているように聞こえるので、ギターではEmを弾いて、他の楽器で「レ」の音を弾くことにより、全体としてのコードがEm7になっているのかもしれませんね(僕のブログではギターのTAB譜ではなく、コード譜を載せることを目的としているので、和音として聞こえた音は、なるべくコードに反映しているつもりです)。いずれにせよ、このセブンスはあってもなくてもダイアトニックなコードであるため、それほど大きな差があるわけではありません。どちらを弾いても全く問題ないかと思います(FM7についても、FとFM7のどちらでも良いです)。

コード進行が1パターンしかなかったため、解説というほどの解説をできたわけではありませんが、メロディーやアレンジを作り込めば、同じコード進行ばかり使っても、キャッチーで素晴らしい楽曲は作れるということが言えるのではないかと思います。

今回のアルバムには、CMソングの他、映画で使われる予定の楽曲も収録されるとのことで、どのような楽曲になるのかとても楽しみですね。

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