2016年8月第3週のシングル新譜のコード進行 ~ SKE48, EXILE, Aimer etc. ~


8月第3週のカレンダー

はじめに

今回で3回目になりました。先週に引き続き、新譜のサビのコード進行の掲載、および、コード進行のパターンの分類や音楽的な観点から、各楽曲についての考察や感想を記していきます。「発売前に新曲を楽器で弾いてみたい」「気になる新譜が他のどの曲と伴奏が似ているかどうか」など、音楽経験者からそうでない方まで、なるほどと思っていただけるような内容を書くことを心がけていきたいと思います。

書いてあることの意味が全く分からない場合もあるとは思いますが、音楽用語が理解できなくても読んでいただけるように、感想的な内容も多く含んでおります。皆様の好きなアーティストの項目だけでも読んでいただければ幸いです。

コード進行の分類は以下のオリジナルの方法によって行います。
ヒット曲のコード進行のパターンを、最初の2つのみで分類

諸注意はこちらの記事で詳しく書いておりますが、主に以下の通りです
・歌詞は載せず、コード進行のみを小節の記号|とともに載せています。
・耳コピによる判定ですので、間違っている場合もあるかもしれません。他サイトからの転載は一切行っていません。

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2016年8月第3週発売の主な新譜のコード進行

SKE48「金の愛、銀の愛」のコード進行

Dm|B♭|F|C|Dm|B♭|F|C|
Dm|B♭|F|C|Dm|B♭|C|F|

キー:Dm
2コード分類法による分類:Ⅵm→Ⅳパターン(小室進行)

SKE48の20作目のシングルは、ゆったりとしたピアノバラード。コード進行は典型的な小室進行。Ⅵm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴという進行が3回続き、最後の1回だけⅠとⅣが逆になっています。
他の小室進行の曲の例にもれず、かっこいい感じの印象を与えています。前奏やAメロもほぼ同じコード進行ですが、BメロでⅣから始まる進行を挟むことにより、退屈な感じが出ないように工夫されています。

EXILE「Joy-ride ~ 歓喜のドライブ ~」のコード進行

A♭add9 |B♭/A♭|Gm|Cm|A♭add9 |B♭/A♭|Gm|Cm|
A♭|A♭|Gm|Cm|A♭add9 |B♭/A♭|Gm|Cm|A♭

キー:Cm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

リオオリンピックの中継ソングとして使われているEXILEの新曲。こちらはコードの聞き取りが非常に難しかったのですが、最初のコードはA♭の響きとB♭の響きが混ざったような感覚でしたが、王道進行に近い感じを受けたのでA♭add9と判定しました。

全体的に王道進行の繰り返しなのですが、ある場所ではadd9があるなど、少しずつ変化を加えて単調にならないように工夫されていますね。

FTILAND「JUST DO IT」のコード進行

B♭M7 C |Dm C|B♭M7 C |Dm C|
B♭M7 C |Dm C|Gm7 Am7 |B♭ C| B♭

キー:Dm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

韓国のバンドFTISLANDの16枚目のシングルのサビは、Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴの繰り返し。コードの二つ目までに注目すれば、一般に言われる「王道進行」と全く同じ進行です。最後の2小節のみ同種調のマイナーコードを使い変化を付けているのが特徴ですね。

純愛カオス「東京パフォーマンスドール」のコード進行

Em Bm| C G |C D| Em Bm |C#m7-5 |C | Am7 |D
Em Bm| C G |C D| Em Bm |C#m7-5 |C | Am7 |D | C(2番はG)

キー:Em
2コード分類法による分類:Ⅵm→Ⅲmパターン

アニメ「逆転裁判?その「真実」、異議あり!?」の主題歌で、新生東京パフォーマンスドールの5作目のシングル。コード進行はアップテンポなアイドル曲としては比較的少数派のⅥm→Ⅲmパターン。

そのあとも、個々のパーツだけ見ればよくある進行なのですが、組み合わせ的にはあまり例のない楽曲なのではないかと思います。C#m7-5の部分の不安定感がいい味を出しています。

Aimer「蝶々結び」のコード進行

F#m C#m7 |D A | F#m7 C#m |B7・E C#7|
F#m C#m7 |D A | F#m7 E | D(add9) |Esus4 C#7|

キー:F#m
2コード分類法による分類:Ⅵm→Ⅲmパターン

RADWIMPSの野田洋次郎が作詞作曲を担当したAimerの新作。ピアノをバックにしたミディアムテンポの曲で、コードのパターンはⅥm→Ⅲm。キーと最初の4コードまでが同じ曲に、鬼束ちひろの「月光」が挙げられます。

途中に登場するC#7(Ⅲ7)のコードが深さを感じさせ、アクセントになっています。また、サビに入る直前に転調しているのですが、Cメジャーの曲調からG→C#7→F#mという非常に珍しい転調の仕方をしているのも特徴です。普通はC#7の代わりにEを使って転調すれば自然なところ、あえてこの方法を使うことにより不安定感を出しているように思います。

Prastic Tree「サイレントノイズ」のコード進行

GM7 A| Bm E7| GM7 A|Bm A|
GM7 A| Bm E7| GM7 A|G A Bm・|G A Bm・|

キー:Bm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

ビジュアル系バンドによくみられる、Ⅳ→Ⅴ→Ⅵmの進行です。ただ、そのあとのE7(Ⅱ7)がやや珍しく、ここで聴く側としては惹きつけられますね。通常はAが使われることが多く、それでも立派な楽曲になっていたでしょう。

うたの☆プリンスさまっ♪Shining Dream CD「DAY DREAM」のコード進行

A♭|E♭/G|Fm|A♭/E♭|
D♭|A♭/C|B♭m A♭|G♭E♭|
A♭|E♭/G|Fm E♭m|D♭|
B♭m|Cm Fm|B♭m E♭|D♭

キー:A♭
2コード分類法による分類:Ⅰ→Ⅴパターン(カノン進行)

うたプリの新曲は、カノン進行による非常に素直で聴きやすい楽曲です。6小節目のリズムが止まる部分で若干特殊なコードを使っている他、サビの後半での3小節目では前半とほんの少しだけ変化しており、典型的なコード進行の中で若干の変化を入れる工夫がされていることがわかります。

Little Glee Monster 「私らしく生きてみたい」のコード進行

BM7|B♭7|E♭m|D♭m7-5 G♭|
BM7|G♭/B♭|A♭m7|B♭7| ×2
BM7

キー:E♭m
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅲパターン

女性ボーカリストグループ、リトグリの6作目シングル。こちらはⅣ→Ⅲ→Ⅵmというコード進行です。アップテンポな曲でこの進行は珍しいのですが、自然でキャッチーな楽曲に仕上がっているのはすごいと思いました。

CANDY GO!GO!「endroll」のコード進行

E|E|B|B|C#m7|B|AM7|B| ×2
E

キー:E
2コード分類法による分類:Ⅰ→Ⅴパターン(カノン進行)

前作でメジャーデビューしたばかりのアイドルグループCANDY GO! GO!の2作目。ギターの疾走感がある本曲は、Ⅰ→Ⅴ→Ⅲmのカノン進行。全体を通して特殊なコードは一切使わず、違和感なしに進行する楽曲となっております。

久保ユリカ「SUMMER CHANCE!!」

F#|C#|D#m|A#m|B|A#m D#m|G#m F#/A# B G#/C|C#|
F#|C#/F A#/F|C#m|D#|B|A#m D#m |G#m G# |C# A#|
D#m |Daug|F#/C# |G#7/C | G#m|A#m|B G#/C| C# |B

キー:F#
2コード分類法による分類:Ⅰ→Ⅴパターン(カノン進行)

久保ユリカの2作目のソロシングルは夏らしく明るい楽曲で、コード進行の最初は典型的なカノン進行。この作品のサビは、メインのメロディーが2回を流した後、「大好き」を連呼する部分が流れ、主に3パートに分けることができると思います。
最初が典型的なカノン進行なのに対し、2パート目は1パート目のコードを少しずつ変えて変化を出し、ラストのパートではベースラインを1つずつ下げるテクニックが使われています。特殊なコードがいっぱい使われているように思いますが、パーツごとに見てみればアイドルソングではよく見かける進行になっています。

THE IDOLM@STER PLATINUM MASTER 01「Miracle Night」のコード進行

A・・A/G|D/F#|G F#m |A/E |
A | Bm D|G |Em|
A・・A/G|D/F#|Bm|A D|
G D/F#|Em D|G D/F#|Em A| D

キー:D
2コード分類法による分類:Ⅴ→Ⅰ進行

アイマスプラチナスターズの2作目はシンセの音がよく効いている楽曲で、コード判定は苦労しましたが、おそらくはⅤ→Ⅰと進む珍しい進行と思われます。アイドルソングやアニメソングでは非常に珍しい曲調で、アレンジにしてもコード進行にしても、どちらかといえばEXILEや韓国系のアーティストが歌っていそうな曲の雰囲気だと思います。

まとめ

今回は11曲中7曲が主要3コードのうちのどれかでした。決して頻繁に使われるとは言えないⅥm→Ⅲmという進行が2曲もあったのは意外です。あと、個人的なことですが、シンセの音がたくさん聞こえるダンスチューンはコード耳コピが苦手だなと実感しました(汗)。EXILEとアイマスのコードは本当に合っているかどうか怪しいです。実際にコードを奏でてみた感じではそれほど違和感はなかったのですが・・・。

なにはともあれ、今回も様々な曲のコード進行や、そのパターンを見て、何かを感じていただければ幸いです。

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