La PomPon「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」のコード進行解析、楽曲の感想


今回は、2016年9月7日発売の、La PomPonの両A面シングルのうち、「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」のコード進行を耳コピにより採譜したものを掲載する他、音楽理論的な解説や感想を述べていきます。

「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」の概要


本曲はLa PomPonの5枚目のシングルで、両A面シングルとなっています。1曲目はMi-Keのカヴァー曲である「想い出の九十九里浜」であり、こちらのコード進行を紹介しても良かったのですが、他のサイトでいくらでも載っていると思うので、あえて2曲目のオリジナルソングの方を紹介することにしました(なお、Mi-KeはLa PomPonと同じビーイングの「先輩」にあたります)。

La PomPonは2013年にデビューした女性5人のダンス・ヴォーカルグループで、ユニット名はPower Of MusicとPride Of New generationの略です。3枚目のシングル「謎」と4枚目「運命のルーレット廻して」と、いずれもアニメ「名探偵コナン」主題歌のカヴァーしていずれもヒットしました(これらの原曲を歌った小松未歩、ZARDらも、事務所の「先輩」に当たります)。本作はそれら続くシングルということになります。

今回紹介する2曲目の「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」の作曲者は本田光史郎氏で、彼はラブライブ!で使われた「Kira-Kira Sensation!」や「Future style」など、明るくアップテンポなアニソンを作曲している作曲家です。また、編曲者は、SPEEDの全楽曲の編曲を担当した経歴を持つ水島康隆氏です。両A面だけあって、2曲目でもかなり豪華な布陣で生み出された楽曲という事がわかります。

動画は、公式チャンネルによってYoutubeにアップされたものです。本記事ではこの動画で視聴できる1コーラス部分に限り、コード進行の採譜を行おうと思います。

「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」のコード進行

イントロ~冒頭サビ

|C B♭ C|(N.C.)|
|B♭M7|B♭M7|B♭M7|B♭M7|Am7|Am7|Dm|Dm|
|B♭M7|B♭M7|B♭M7|B♭M7|Am7|Am7|Dm|Dm|
|B♭|C|

ドラム、およびオーケストラヒット(ガン!ガン!というインパクトのある楽器)によって、ダダ・ダダ・ダダのリズムを演奏するイントロから始まり、サビのメロディーに入ります。

サビの最初のB♭M7は、サブドミナントコードにあたり、音楽理論的には不安定な状態が6小節ほど続き、7小節目でようやくトニックのマイナーコードであるⅥmが登場して落ち着くという流れになっています。3,4小節目でC(またはC on B♭)を採用すれば、多くの楽曲に使われる「王道進行」(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm)になるのですが、本曲では、あえてそれをせずにⅣ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅵmと、Ⅳ(サブドミナント)の響きを長く引っ張るようなコード進行になっているのが特徴です。

なお、B♭M7がサブドミナントであることから、キーはFメジャー(またはDマイナー)であることがわかります。ボーカルの最高音はC(ド)です。

ストリングスの綺麗な響きと、かすかに聞こえる細かいシンセのキラキラ音が、いい感じに楽曲を飾り立てています。

最後の2小節(B♭→C)から間奏の最初のFにかけてのコード進行は、いわゆるSTD進行(Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)で、この直前まではDマイナー調であったのが、この3つのコードにより完全にFメジャー調の響きになります。クラシックの世界では「平行調への転調」と言えるかもしれませんが、調号が変わっているわけではないため、ポップスでは転調と扱わないのが普通です。

間奏

|F|C/E|Dm|C/E|F|C/E|D♭|E♭|

間奏の最初はいわゆる「カノン進行」(Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm)。このコード進行にシンセの音でメロディーを加える手法は、AKB48関連の楽曲をはじめ、アイドル曲等で多く使われています。

ラストのD♭→E♭は、数字でいうとⅥ♭→Ⅶ♭という、非ダイアトニックなコードが2つ続く部分であるため、不安定な進行に思いそうですが、Ⅶ♭は次にⅠが来ることで安定しやすく、Ⅵ♭は次にⅦ♭が来ると自然に聴こえるという性質があり、Ⅵ♭→Ⅶ♭→Ⅰという流れは割合多くの曲で、自然に聴くことができます。

余談ですが、Ⅵ♭→Ⅶ♭の次に、Ⅰに戻らずに、そのままⅢ♭と推移して、同主調への転調をするような楽曲も多く見られます。Ⅵ♭→Ⅶ♭は、Ⅲ♭をトニックとみなせば、サブドミナント→ドミナントのコードにあたるので、この進行を使うと同主調の転調が非常に自然に行えるのです。本曲は転調はせずFメジャー調のままです。

Aメロ

|F|C|Dm|F|B♭|F|Gm7|C|
|F|C|Dm|F|B♭|F|Gm7|C|

ギターのアルペジオが心地よいAメロです。ここでは特に変わったコード進行はなく、カノンコードからの自然な流れでまとまっています。かすかにシンセのリードのような音が常に聞こえています(間奏の部分でも聞こえます)。意識しないと聞こえないほどの小さい音ですが、かといって、なかったら物足りないようなスパイスみたいなものなのでしょうね。主役ではないけど、こういった1つ1つの細かい音が編曲においてはとても大切なのです。きっと色んな音を試されて、ああでもない、こうでもない、となりながら、最終的にこの音色になったのだろうなということが推測できます(違ったらすいません)。

Aメロの後ろ半分では、ボーカルの上ハモリ、スネアドラム、ディストーションギターが追加されており、前半よりも盛り上がりを感じることができます。

Bメロ~サビ

※Bメロ
|Dm|Am7|B♭|Am|Dm|C|B♭|B♭|C|C|C B♭ C|(N.C.)|
※サビは冒頭のサビと同じコード進行

BメロはPPPHのコールが合いそうなリズムでスタートしますが、2、4、6小節目は、3連符+2分音符、というリズムを強調する構成になっています。ライブやイベント等でファンが乗る時は、ずっとPPPHでするのか、偶数小節だけリズム通りにコールするのか、どちらなんだろうと、コード進行とは全く関係ないことを考えてしまいました。

ただ、このような考えは必ずしも楽曲の作成において無関係かというと、決してそんなことはないと思います。なぜなら、アイドルの楽曲においては、PPPHをはじめとしたライブ等でのノリやコールも重要な要素であり、作曲、編曲をされる方は、おそらくそのようなことも考慮に入れながら、作業をされているのではないかな、と勝手ながら推測をして曲を聴いているこのごろです。

まとめ

La PomPonの「恋のB・G・M ~イマハ、カタオモイ~」のコード譜を耳コピにより採譜し、(必ずしもコードとは関係のない)主観的な解説を行いました。

作曲家と編曲家の名前を見てもわかるように、表題曲としても十分なほどの完成度の高い楽曲だと思いました。典型的なコード進行を使っているため、簡単に作れそうな楽曲と思うかもしれませんが、よくよく耳を澄ましてみると非常に細かい音がたくさん鳴っていたり、リズムも細かい部分で工夫があるなど、改めてプロの技術の高さを感じる一曲でした。

今後も様々な新曲についてコード譜の解析を行っていきたいと思います。

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