LiSA 「Catch the Moment」のコード進行解析


本記事では、LiSAの楽曲「Catch the Moment」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は耳コピで行っておりますので、必ずしも正確である保証はありませんがご理解いただければ幸いです。

「Catch the Moment」の概要

本曲はLiSAの11枚目のシングルで、映画「ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」の主題歌となります。LiSAのSAO関連の楽曲は、他に「Crossing Field」と「シルシ/No More Time Machine」があります。

「Catch the Moment」のコード進行

●イントロ
|C|C B7|B7|Em|
|C|D#dim Em|A/C#|D|D|
|Em|C|D B/D#|Em|
|C|G/B|Am7|D|

●Aメロ
|Em|Em|C|C|
|G|G|D|D|
|Em|Em|C|C|
|G|G|D|B/D#|

●Bメロ
|Am7|B7|Em D#aug|G/D C#m7-5|
|C|C|Bm7|Em|
|F|F|D|D|

●サビ
|G|G|B/F#|B/F#|
|Em|Em|Dm7|G|
|C|C Cm|Bm7|Bm7 B♭|
|Am7|A7|D|D|
|G|G|F#m7-5|B|
|Em|Em D#aug|Dm7|G|
|F#m7-5|B|Em|C#m7-5|
|Am7|G/B|F|D|
|Em D|C G/B|
|Am7|G/B|F|D|D|D|

●後奏
|Em|C|D B/D#|Em|
|C|G/B|Am7|D|
|C9|

不思議な感覚のイントロからスタートし、途中から近年のアニソンで多いアップテンポな曲調に変わります。この部分とAメロではE(Ⅵ)m→C(Ⅳ)という「小室進行」が使われています。キーはEマイナーまたはGメジャーで、#が1つだけの調です。

僕のサイトでは普段、平行調(同じ調号で、短調と長調だけが違う調のこと)の区別は特にしていませんが、あえて区別するとすればイントロからBメロまでがEマイナー、サビのみがGメジャーと言えるのではないかと思います。LiSAの代表曲は、最初から最後まで短調系のコード進行で突っ切ることが多く(「oath sign」「crossing field」「Lising Hope」等)、本曲のようにサビでガラリとイメージが変わるのは新鮮な感じがしました。

さて、コードの話に戻しますと、Bメロの3~4小節目ではEm→D#aug→G/D→C#m7-5という、一見複雑なコード進行が登場します。しかし、これらの構成音をよく見ると、高音部は「ソ」「シ」で固定しており、ルート音だけが「ミ」から「ド#」まで半音ずつ下降しているだけという事がわかります。このような進行は「クリシェ」と呼ばれ、様々な楽曲に使われています。サビ直前にはF(Ⅶ♭)というノンダイアトニックコードが登場します。このコードは聞き手にインパクトを与えるだけでなく、直後にドミナントコードを誘導しやすい性質を持っており、実際に本曲でもD(Ⅴ)というコードが来ています。

サビのコード進行はG(Ⅰ)→B(Ⅲ)/F#(Ⅶ)→E(Ⅵ)m→D(Ⅴ)m→G(Ⅰ)というもので、ノンダイアトニックコードを2つ(ⅢとⅤm)含む、インパクトの大きいパターンですが、多くの楽曲でこの進行は1まとめで使用されていることが多いです(特にバラード曲で多い印象があります)。まず、ⅢというコードがⅥmを誘導し、またⅤmがⅠを誘導します。このようにして誘導されたⅠは、トニックであるものの、響きとしてはドミナントに近い印象を持つため、次のC(Ⅳ)を誘導します。ここで「誘導」と書いたものは、いずれもルート音が完全4度(5半音)だけ上がったコードを導出しており、「ツーファイブ」等と呼ばれることがあります。この、「ルート音の完全4度の上昇」は、コード進行における基本中の基本で、本曲のパターン以外でも色々な例があるので、ぜひ覚えておきたいです。

サビの2週目は、1週目とはやや異なる(聴いた感じでは非常に似ているのですが)、G(Ⅰ)→F#(Ⅶ)m7-5→B(Ⅲ)→E(Ⅵ)mという進行になっています。この、Ⅶm7-5→Ⅲというパターンは2つで1セットの非常に汎用性が高いパターンで、もしも作曲をしている最中で、Ⅲというコードを使用することを考えた場合は、Ⅲの代わりにⅦm7-5→Ⅲを使うことを検討する癖をつけるだけでも、作曲の幅が広がると言ってもいいかもしれません。ちなみに、Ⅶm7-5→Ⅲも、ルート音が完全4度上がっていますので、ツーファイブですね。

ヴォーカルのキーは、最高音が「ド」、最低音が「ソ」、音域は1オクターブ+5音となります。

今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

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