SPYAIR「RAGE OF DUST」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、2016/11/09発売のSPYAIRの楽曲「RAGE OF DUST」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「RAGE OF DUST」の概要

本曲は男性4人組バンドSPYAIRの19枚目のシングルで、アニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の2期のエンディングとして使用されています。

「RAGE OF DUST」のコード進行

●イントロ
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭B♭・・|
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭B♭・・|
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭B♭・・|
|B B♭D♭|D♭A♭・・|

●Aメロ
|Cm|Cm|Cm|Cm|
|A♭|A♭|B♭|B♭|
|Cm|Cm|Cm|Cm|
|A♭/C|A♭/C|B♭|B♭|

●Bメロ
|Fm7|Gm7|A♭M7|A♭M7|
|B♭|B♭|B|C#|

●サビ
|Cm|A♭M7|E♭|B♭|
|Gm|Cm|A♭M7|G/B B♭|
|Cm|A♭M7|E♭|B♭|
|Fm7|Fm7 Gm7|A♭M7|B B♭|

●間奏
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭|
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|A♭B♭B|D♭|
|Cm|Cm|A♭M7|A♭M7|
|E♭|E♭|B♭|B♭|
|Fm7|Gm7|A♭|A♭|
|B♭sus4|B♭sus4|(N.C.)or B|D♭|

※サビ2回繰り返し

●後奏
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭B♭・・|
|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|Cm|
|B B♭A♭|A♭B♭・・|
|B B♭D♭|D♭A♭・・|

ロック調で早い間隔でバスドラとスネアを交互に刻んだリズムの、非常にスピード感がある楽曲です。キーはCマイナーで、楽譜だと♭が3つ必要な調です。全体を通して転調は行われていません。ギターは、Aマイナーの調をカポ+3で弾くと簡単になるでしょう(ただし、MVを見る限りはカポは使用していないように見えます)。

コード表記の中で、イントロ、間奏、後奏などで|B B♭A♭|A♭B♭・・|等と表記している部分(特徴的なリズムでジャッジャッジャーンと演奏される部分)は、この通りに和音を弾くというよりは、ベース音がこの音の通りに進行して、ほぼ単音のような響きになっていますので、このような箇所では、単音かパワーコードを弾くのが良いと思います。メロディーのある個所では表記通りにコードを弾いても問題ないでしょう。

さて、本曲ではC(Ⅵ)m→A♭(Ⅳ)→E♭(Ⅰ)→B♭(Ⅴ)もしくは、C(Ⅵ)m→A♭(Ⅳ)→B♭(Ⅴ)という「小室進行」がAメロ、サビ、間奏の後半等でで使用されています。このコード進行は、「J-POPの3大コード進行」の1つにも数えられ、特にカッコいい系の楽曲で非常に人気のあるコード進行です。彼らの前作「THIS IS HOW WE ROCK」もこのタイプでした。

また、サビの8小節目や16小節目ではG(Ⅲ)/B→B♭(Ⅴ)や、B(Ⅴ#)→B♭(Ⅴ)というように、B♭のみでも不自然ではないところで、あえてノンダイアトニックコードを使って変化を加えるテクニックが使われています。

ヴォーカルの最高音はサビで使用される「ラ♭」、最低音は「シ♭」で、音域は1オクターブ未満と狭いですが、全体的に高音域が長く続き、息継ぎの箇所も少ないので、原曲のキーで最後まで歌い通すのは結構難しい楽曲だと思います。

ちなみに、タイトルの「RAGE OF DUST」がどのような意味なのかを少し考えてみました。直訳すると「塵(ちり)の怒り」ということになりますが、最後の方の歌詞で「クズ」とか「星屑」という単語が登場しているので、「DUST」という単語はおそらく「星屑」に相当するのでしょうか。となると、あえて邦題を付けるとすれば「星屑の憤怒」とでもなるのかもしれませんが…。なんだか変な感じなので、「RAGE OF DUST」ひとまとまりで1つの単語(ただし、このような英語はないと思うので、SPYAIRによる造語)とみるのが妥当なのだと思います(英語の専門家ではありませんので、見当違いの事を言っていたら申し訳ないです)。

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