本記事では、2016/11/30発売のchayの楽曲「運命のアイラブユー」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。
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「運命のアイラブユー」の概要
本作は女性歌手chayの9作目のシングルで、実の姉の結婚を祝福するポップな楽曲となっています。
「運命のアイラブユー」のコード進行
●イントロ
|E|E|C#m|C#m|
|F#m|F#m|B|B|
|E|E|C#m|C#m|
|F#m|F#m|B|B|
●Aメロ
|E|E|C#m|C#m|
|F#m|F#m|B|B|
|E|E|C#m|C#m|
|F#m|F#m|B|B B/A|
●Bメロ
|G#m7|C#m|F#m7|B B/A|
|G#m7 G#7|C#m C#|
|F#m B7|G#m7 C#m|
|F#7|G# B|
●サビ
|E|E|C#m|C#m|
|F#m B|G#m7 C#m|
|F#7|B7|
|E|E|C#m|C#m|
|F#m B|G#m7 C#|
|F#m7 B7|E|
●間奏
|E|E|C#m|C#m|
|F#m|F#m|B|B|…
60年代あたりのアメリカンポップスをほうふつとさせるような曲調で、楽曲の雰囲気としてはchayの3作前の大ヒット曲である「あなたに恋をしてみました」と似ています。
楽曲の調はEメジャーで、楽譜だと#が4つの調です。MVではchay本人がギターを弾いているところが確認でき、イントロではメロディーを、それ以外のパートではコードストロークを弾いていると思われます。MVで見られるように、カポを4フレットに付けて、Cメジャーの楽曲のコード(表記したものよりも4つ下のコード)を弾くようにすると簡単になるでしょう。
ドラムの「ウンタタウンタン」というリズムに、単音のストリングス、「デューワッ」というようなコーラス等、レトロな感じがたまらないですね。
さて、コード進行ですが、Bメロ以外のパートでは、E(Ⅰ)→C(Ⅵ)#m→F#(Ⅱ)m→B(Ⅴ)という進行がメインとなっています。このコード進行も、60年代ポップミュージックの典型例であり、J-POPでも古今東西、非常に多くの楽曲で使用されています。Ⅰ→Ⅵmの2つのコードに限れば、前述の「あなたに恋をしてみました」のAメロでも使用されたパターンです。
本曲ではイントロ、Bメロは典型的なコードのみが登場し、Bメロからノンダイアトニックを含む変化的なコード進行になります。Bメロ4小節目のG#(Ⅲ)m7→G#7や5小節目のC#(Ⅵ)m→C#は、ともに、同一のルート音を持つコードを、ダイアトニックなマイナーコードからノンダイアトニックなメジャーコードに切り替えて演奏する手法がとられており、小節の途中からインパクトを感じるようなアレンジになっています。
続いて、Bメロの最後の小節ではG#(Ⅲ)→B(Ⅴ)というコード進行からサビのEから始まる進行に落ち着いています。Ⅲというコードは、本来マイナーコードまたはサブドミナントから始まるコード進行を誘導するためのもので、本曲のような楽しげなポップスでは単にⅤのみを用いた方が自然なわけですが、半小節ほどⅢのコードを挟むことで、「おや、サビはマイナー調になるのかな」と一瞬感じるので、フェイントをかけるような役割になっています。単にⅤ(B)のみを弾いても不自然ではないので、どちらがいいかは完全に好みの問題でしょう。
ヴォーカルの最高音はサビで使われている「ミ」、最低音はAメロの「シ」、音域は1オクターブ+5音ですが、特にサビで高音域が長く続く印象があります。
MVにしてもアレンジにしても、あえて「古臭さ」を強調している、レトロでポップなウェディングソングで、聴いているだけでも楽しい気分になってしまいます。「あなたに恋をしてみました」と同様にヒットしてchayの定番曲となるか、注目したいと思います。