AKB48「ジワるDAYS」のコード進行解析


本記事では、AKB48の楽曲「ジワるDAYS」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は管理人の耳コピによるもので、必ず正しいという保証はできかねますのでご了承ください。

AKB48「ジワるDAYS」の概要

本作はAKB48の通算55作目のシングル「ジワるDAYS」(2019/3/13発売)の表題曲で、指原莉乃が卒業する前の最後のシングル。作詞は秋元康で、作曲は吉田司、塚田耕平の共作。

AKB48「ジワるDAYS」のコード進行

●イントロ
|A|A|

●歌い出し(♪本当は今でも)
|D|D|F#m|F#m|
|Bm|Bm|Am|D|
|G|A/G|F#|Bm|
|C|A|D|D|

●間奏1
|D|D|Bm|Bm|
|G|G|G|A|

●Aメロ(♪まだ冷たい風)
|D|D|Bm|Bm|
|G|G|A|A|
|F#|F#|Bm|A|
|G|A|D|D|

●Bメロ(♪悲しみを乗り越えて)
|F#|F#/A#|Bm|D/A|
|E/G#|G|A|A|A|A|

●1コーラスサビ(♪君の瞳から涙)
|D|D|F#m|F#m|
|Bm|Bm|Am|D|
|G|A/G|F#|Bm|
|C|C|A|A|
|D|D|F#m|F#m|
|Bm|Bm|Am|D|
|G|A/G|F#m F#|Bm|
|C|A|D|D|
|Em|A|

※間奏1, Aメロ, Bメロ繰り返し

●2コーラスサビ(♪君が一人きり)
|D|D|F#m|F#m|
|Bm|Bm|Am|D|
|G|A/G|F#|Bm|
|C|C|A|A|
|D|D|F#m|F#m|
|Bm|Bm|Am|D|
|G|A/G|F#m F#|Bm|
|C|A|D|D|

●Cメロ(♪君が幸せになれば)
|G|G|Gm|Gm・・D|
|F#m|F#m・・G#m7-5|B|B|
|Em|D#aug|G/D|E|
|A|A|A|A|

※1コーラスサビ繰り返し

●後奏
|D|

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

典型的なアイドルポップ調の楽曲。歌詞の中に何度も登場する「君」は、おそらく指原のことを指しているのではないかと思います。

楽曲のキーはDメジャーで、転調はありません。サビの最初のコード進行は、D(Ⅰ)→F#(Ⅲ)m→B(Ⅵ)mで、「カノン進行」の親戚のようなパターン。AKB48では「ヘビーローテーション」「鈴懸の~」「翼はいらない」と同じコード進行です。

また、9小節目(♪僕が全力で~)からはG(Ⅳ)→A(Ⅴ)→F#(Ⅲ)→B(Ⅵ)mで、こちらは「王道進行」の親戚のパターン。同じサビ内に、頻出のパターンの変化形が共存していることになります。

さて、この曲、Aメロからサビまでは、かなりオーソドックスなコード進行であるため、何を解説しようか迷ったのですが、個人的に感心したのはCメロのコード進行でした。

Cメロは、最初の2小節がG(Ⅳ)で、次の2小節がGm。このGm(Ⅳm)はいわゆるサブドミナントマイナーで、ちょっぴり切なげな感情を表現できるノンダイアトニックコードなのですが、特に注目してほしいのは4小節目です。歌詞で言うと、「♪いいって」のところ。特に、最後の「て」の部分の伴奏を聞いていただきたいのですが、この一拍分だけ、直前と直後のいずれとも違う和音であることに気づかれましたでしょうか?

早いテンポであるため、そのままスルーしがちですが

4小節目の3拍目まで…Gm (Ⅳm)
4小節目の4拍目…D (Ⅰ)
5小節目…F#m (Ⅲm)

という具合に、一拍だけⅠが紛れ込んでいるのです。

更に、その次の6小節目の「♪わかって」の「て」の部分でも同様に、前後のコードとは明らかに異なる響きが感じられました。

これらのコードはいずれも挿入しなかったとしても、何の問題もなく聴けますし、実際のように挿入したとしても、「コードが変わった」と意識して聴く変わり者はほとんどいないでしょう(笑)。しかし、このわずか1拍の挿入があることで、無意識のうちに聴き手に何らかの感情の変化を与えて、心に響く部分になっているのではないと思いました。こういう、意識できるかできないかのスレスレのラインのテクニックはとても好みです。例えは変かもしれませんが、映像における「サブリミナル効果」みたいなものかもしれませんね。

今回の記事は以上となります。今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

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