秦基博「70億のピース」のコード進行解析


本記事では、2016/10/19発売の秦基博の新曲「70億のピース」のコード譜と、音楽的な解説を記していきます。

「70億のピース」の概要

本曲は秦基博の21枚目のシングルで、テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」の主題歌となっております。アコギが優しい音色を奏でる、秦基博らしいバラードソングです。

発売前の時点では、1コーラスのみを採譜しました。フルコーラスを聴く機会があれば2コーラス以降も追記したいと思います。

「70億のピース」のコード進行

●イントロ
|DM7 E|A F#m|
|DM7 E|D|

●Aメロ
|A F#m7|D E|
|A F#m7|D E|
|A F#m7|D E|
|A F#m7|D E|
|A|

●Bメロ
|D|C#m7|Dm|
|E E/D|E/C# E/B|

●サビ
|A Bm7|E Fdim|
|F#m B7|D A/C# Bm E|
|A Bm7|E Fdim|
|F#m B7|E A|D|Dm|

●間奏
|DM7 E|A F#m|
|DM7 E|DM7|

イントロ

アコギのアルペジオをバックに、もう1本のギターがサビと同じメロディーを奏でる静かなイントロが始まります。アルペジオの全ての構成音をコード化すると、add9などが大量について複雑になってしまうので、コード表記としてはテンションコードを用いない方法で記載しました。

さて、本曲のキーはAメジャーであり、楽譜では#が3つの調性です。1コーラスを聴く限り転調はされていないようです。イントロのコード進行はDM7→E→A(Ⅳ(△7)→Ⅴ→Ⅰ)という、3コードのみを使った定番の進行です。

Aメロ~Bメロ

Aメロは、A→F#m7→D→E(Ⅰ→Ⅵm7→Ⅳ→Ⅴ)という進行が4度繰り返されます。こちらも定番の進行と言えます。

続いて、Bメロでは3小節目にDm(Ⅳm)という「サブドミナントマイナー」が登場します。このコードだけでも特色がある感覚を持つのですが、更にヴォーカルのメロディーが「ド#」の音の部分があり、ここは部分的にはDmM7(マイナーメジャーセブンス)という、珍しいコードの響きになります(ギターで演奏するときにこのコードを弾く必要はありません。ヴォーカルと合わせてこのコードの響きになる、という意味です)。

続いて、サビへの導入部分では、コードは変えずにベース音だけ変えるテクニックが使われています(「クリシェ」と呼ばれるコード進行の一種です)。

サビ

サビのコード進行はA→Bm7→E→Fdim(Ⅰ→Ⅱm7→Ⅴ→Ⅵ#dim)と進みます。秦基博の代表曲の1つである「ひまわりの約束」にサビによく似たコード進行ですが、そちらは2つ目のコードがⅣで、わずかに1音だけ異なります。4つ目のFdimはC#7/Fとしても違和感はありません。どちらにしても非ダイアトニックなコードであり、独特の切なさを感じる部分です。

メロディーに関して述べると、サビの最初の方はそれほど高いキーではないのですが、後半の「♪互いが~」の部分のヴォーカルの最高音は「シ」で、そこから高音を長く伸ばす部分が続くため、歌う方にとっては、最後の4小節くらいが見せ場になるでしょう。

なお、この部分で使われているB7というコードも非ダイアトニックコード(Ⅱ7)で、先ほどのFdimとはまた違った独特の響きを持ちます。

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