ASCA「RESISTER」のコード進行解析


本記事では、ASCAの楽曲「RESISTER」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は管理人の耳コピによるもので、必ず正しいという保証はできかねますのでご了承ください。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

RESISTER (初回限定盤 CD+DVD) [ ASCA ]
価格:1719円(税込、送料無料) (2019/2/24時点)

「RESISTER」の概要

本曲はアニソン歌手ASCA(大倉明日香)の4枚目のシングル「RESISTER」(2019/2/27発売)表題曲で、アニメ「ソードアートオンラインアリシゼーション」の2クールEDとなっております。

「RESISTER」のコード進行

●イントロ
|D♭M7|E♭|Fsus4|Fm|(N.C.)||
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|

●Aメロ(♪君の声が届かない)
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|
|D♭M7|E♭|Fm7|Fm7|
|B♭m7|B♭m7|C|C|

●Bメロ(♪嘆いた時間はもう)
|D♭M7|Cm7|E♭m|D♭M7|
|B♭m7|G/B|C|C|C|

●サビ(♪枯れない強い)
|Fm|Fm|E♭|E♭|
|D♭|D♭|E♭|C|
|Fm|Fm|E♭|E♭|
|D♭|Dm7-5|E♭|C|
|D♭|E♭|Fm|Fm|
|B♭m7|Cm7|

●間奏
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|
|D♭M7|D♭M7|Fm7|Fm7|

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

※文中のローマ数字は、マイナー調楽曲の場合でも平行調のメジャー調における記載としています(例:マイナートニック=Ⅵm)。

ライブで盛り上がりそうなアップテンポなナンバーで、作曲は重永亮介氏。この方は、管理人が何度もライブに足を運んでいる藍井エイルさんの楽曲を多く手掛けており、彼女のライブにおいてもバックバンドを務めている方です。

楽曲の調はFマイナー(A♭メジャー)。公開されている範囲には、転調はありません。

AメロはD♭(Ⅳ)→F(Ⅵ)の繰り返しで、いかにも「これから始まる」的なニュアンスです。なお、このコード進行は、D♭メジャー調の楽曲でも良く登場するものであり、何故Fマイナー(A♭)調だと判断できるのか疑問に思われるかもしれませんが、これは論理的に説明するのはなかなか難しいです。管理人の耳には「D♭よりもFmのところに安定感を感じた」というのが一番の理由です。

Bメロはなかなか面白いコード進行が使われています。まず、最初の4小節(♪嘆いて~いらない まで)ですが、D♭(Ⅳ)M7→C(Ⅲ)m7→E♭(Ⅴ)m→D♭M7という進行の3つ目、Ⅴmは「ドミナントマイナー」と言われるノンダイアトニックコードです。下属調(D♭メジャー)からの借用コードで、D♭メジャー調においては、E♭m→D♭は、Ⅱm→Ⅰと表現できます(実際にはA♭メジャーキーなので、Ⅴm→Ⅳです)。そのため、この部分は、Fマイナー調でありながら、D♭調に近いニュアンスを感じます。最初のD♭はやや不安定な印象を受けるのに対して、同じD♭でも、4つ目の方は少し安定感を覚えるのではないでしょうか。それは、最後のD♭はドミナントでありながら、直前のⅤmの働きで、(下属調の)トニックのような疑似的な働きをしているからだと思います。

そして、コード以外のアレンジの点でも、この4小節だけはバスドラの4ビートも止んで、個人的には、ここだけ世界観が変わったような感覚になりました。それはバックの楽器だけでなく、ヴォーカルの発声についても同様で、「♪嘆いた」という部分は、他に比べてやや砕けた発声をしている印象を持ちました。

しかし、その直後(♪限界の壁を~)、前4小節の世界観を打ち消して元のリズム感に戻っています。この4小節の前後の様変わりは、編曲、歌い方ともに見事な作りだと思いました。

なお、ここ(Bメロ後半)ではB♭(Ⅱ)m7→G(Ⅶ)/B→C(Ⅲ)という進行が使われていて、最後のⅢ自体も次のFm(Ⅵm)を誘導するためのノンダイアトニックなのですが、更にその直前のⅦが、そのⅢを強く誘導するノンダイアトニックになっております。同じノンダイアトニックでも、ⅢよりもⅦの方がより強烈なインパクトを感じるような性質を持っています。歌詞で言うと「♪を…今すぐ」の部分が該当します。

サビはF(Ⅵ)m→E♭(Ⅴ)という進行。ただし、2小節目はD♭(Ⅳ)/Fに近いニュアンスにも聴きとれるため、いわゆる「小室進行」の仲間と言えるでしょう。13小節目からのD♭(Ⅳ)|D(Ⅳ#)m7-5|E♭(Ⅴ)|C(Ⅲ)のうちⅣ#m7-5は、他の楽曲でも頻出の、切なげな印象を持たすコード進行のテクニックですね。

今回の記事は以上となります。全体的に好みの楽曲ではありますが、特にBメロの前半が、その前後と異なる曲調になっているのがとてもお気に入りです。

今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク