AKB48じゃんけん民「逆さ坂」「奇跡のドア」のコード進行解析と解説


本記事では、2016/12/21発売のAKB48じゃんけん民の楽曲「逆さ坂」とそのカップリング曲「奇跡のドア」のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は耳コピで行っておりますので、必ずしも正確である保証はありませんがご理解いただければ幸いです。

「逆さ坂/奇跡のドア」の概要

今回記事にするシングルは、AKB48のじゃんけん選抜による初のシングルで、じゃんけん大会の1位~7位が「逆さ坂」を、8位~14位が「奇跡のドア」を歌います。2曲とも2016/12/11時点で公開されている部分だけですが、コード譜を採譜してみました。

「逆さ坂」のコード進行

●イントロ
|E|E|E|
|A|A|F#m|F#m|Bm7|E7|A|A|

●Aメロ
|A|A|F#m|F#m|D|D|Bm7|E7|
|A|A|F#m|F#m|D|Bm7 E7|A|A|

●Bメロ
|Bm7|Bm7|Bm7|Bm7|Bm7|Bm7|Bm7|Bm7|

●サビ
|D♭|D♭|B♭m|D♭|
|E♭m|A♭|D♭|D♭|

※Aメロ繰り返し

この曲は、音楽理論的な観点からみると、非常に大きく珍しい特徴が2つあります。

1つは、主旋律が「ヨナ抜き音階」に沿っている点です。ヨナ抜きとは、メジャースケールの4音目と7音目がない音階の事で、BメロまでのAメジャースケールにおいてはレ、ソ#の音が、そして、サビのD♭メジャースケールにおいては、ソ♭、ドがそれぞれ使われていないのです(全く使われていないわけではなく、ほぼ登場しないというレベルですが)。

ヨナ抜き音階は、日本の民謡や一部の演歌などに登場する音階で、このことが本曲が和風のイメージを持つ大きな原因の1つとなります(もちろん、アレンジが演歌や音頭に近いというのもありますが)。AKB48では「恋するフォーチュンクッキー」が、ヨナ抜き音階に近いメロディーとなっています。

2つ目の大きな特徴ですが、この曲でBメロからサビに至る転調が「キーが4つ上がる転調」である点です。どこが大きな特徴なのかと思われるかもしれませんが、J-POPで使用されている転調の多くは、キーが1音、2音、3音(同主調)、5音(下属調、属調)上がるか、同じだけ下がる転調であり、4音上がるか下がる転調は非常に珍しいのです。どれくらい珍しいのかというと、この曲以外に例を挙げよと言われてすぐには思いつかない程度には珍しいです(±6キーの転調も珍しいです)。

何故珍しいかというと、転調前のキーと後のキーで、使用されるコードに共通なものがほぼなく、音楽的に関連性が薄いことが理由として挙げられるでしょう(+1の転調もそれに当てはまるのですが、+1転調はラスサビの盛り上がり部分で頻繁に使用されるため、定番になっています)。

演歌や民謡で多く使われる音階を使った和風の楽曲にもかかわらず、通常のJ-POPですらほとんど使われていないタイプの転調が使われている、というギャップが素晴らしいですね。

「奇跡のドア」のコード進行

●イントロ

●Aメロ
|Dm|C|B♭C|F|
|B♭ C|A Dm|B♭|A7|
|Dm|C|B♭C|A7/C# Dm|
|B♭ C|A Dm|Gm7 Am7|Dm・・C|

●Bメロ
|B♭|C|Am7 A7|Dm|
|Gm7 C|Am7 Dm|
|Gm G♭aug|B♭/F C/E|
|A|Asus4 A|

●サビ
|Dm|Gm|C|F C/E|
|Dm|Gm|Am7 A7|Dm・B♭C|
|Dm|Gm|C A/C#|Dm|
|Gm7 C|Am7 Dm|Gm7|A7|
|Dm|

哀愁漂う楽曲で多く使われる、D(Ⅵ)m→G(Ⅱ)mというコード進行のサビにのったアップテンポなメロディー。これ以外にも、B♭(Ⅳ)→C(Ⅴ)→A(Ⅲ)m→D(Ⅵ)mの「王道進行」や、G(Ⅱ)m→C(Ⅴ)→A(Ⅲ)m→D(Ⅵ)mのツーファイブ等、定番のコードのテクニックが多数使われています。また、BメロのGm→G♭aug→B♭/Fの部分は、「クリシェ」の一種です。

今回は2曲まとめて紹介させていただきました。皆様はどちらの楽曲が好みだったでしょうか?

今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

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