2016年8月第4週のシングル新譜のコード進行 ~ キスマイ、LiSA、大森靖子etc.


8月第4週のカレンダー

はじめに

今回で4回目になりました。今回も、新譜のサビのコード進行を耳コピにより行ったものを掲載する他、音楽理論的な観点から、各楽曲についての考察や感想を記していきます。「発売前に新曲を楽器で弾いてみたい」「気になる新譜が他のどの曲と伴奏が似ているかどうか」など、音楽経験者からそうでない方まで、なるほどと思っていただけるような内容を書くことを心がけていきたいと思います。

難しい表現をすることもありますが、単純に新曲の感想を語る内容も多く含んでおりますので、皆様の注目している曲の項目だけでも読んでいただければ幸いです。

コード進行の分類は以下のオリジナルの方法によって行います。
ヒット曲のコード進行のパターンを、最初の2つのみで分類

諸注意はこちらの記事で詳しく書いておりますが、主に以下の通りです
・歌詞は載せず、コード進行のみを小節の記号|とともに載せています。
・耳コピによる判定ですので、間違っている場合もあるかもしれません。他サイトやスコア等からの転載は一切行っていません。

前の週を見る

2016年8月第4週発売の主な新譜のコード進行

Kis-My-Ft2「Sha la la☆Summer Time」のコード進行

D|F#m|G D/F#|Em7
D|F# |G D/F#|Em7
Bm |A#aug5|D/A|Em7 A|
D|F# |G D/F#|Em7|Dキー:D
2コード分類法による分類:Ⅰ→Ⅲmパターン

キスマイ17作目のシングル。今回もオリコン1位を取る可能性が高いでしょう。明るくアップテンポでいかにもジャニーズらしい楽曲です。

この曲では、サビの1フレーズ目と2フレーズ目で先頭の小節(♪Shalala Hurry Up の部分)はメロディーもコードも全く同じなのですが、その次の部分で、1フレーズ目ではⅠ→Ⅲmを使い、2フレーズ目であえてⅠ→Ⅲを使うことで、聴いている人を惹きつける効果があるように思います(コードだけでなくメロディーも変えていますね)。ちなみに、音楽理論では、音楽理論においてはⅠ→Ⅲmは普通の進行で、Ⅰ→Ⅲはやや特殊な進行と言えます(特殊と言っても使用例は非常に多いですが)。3フレーズ目(♪Don’t stop~)はベースラインを半音ずつ下げるテクニックで、色んな楽曲で使われている進行です。

バンドじゃないもん!「夏のOh!バイブス」のコード進行

Em|G|Am|C D|Em|G|Am|C D|EmB/D# Em・|
G E D E |G E D・|G E D E |E ←ベースラインのみ(単音)キー:Em
2コード分類法による分類:Ⅵm→Ⅰパターン

前作でオリコン5位に入り勢いがある「バンドじゃないもん!」の新曲。コード進行は前半はかっこいい系のバンド曲によくありがちな進行なのですが、後半はベース音のみでハーモニー感がない部分がしばらく続きます(下段のGEDEから始まる部分)。この部分はコードをそのまま引くと変なので、ベース音だけ鳴らすか、パワーコードで弾くのが良いと思います。

また、上記コード進行は1番のものですが、2番はG E D EではなくG E D# Eでベースもメロディーも、1番とは半音だけ異なっています。Aメロでもベース音のみの単音コードが使われ、アイドルソングとしては珍しい作りになっています。間奏とCメロは典型的な王道進行です。

大森靖子「ピンクメトセラ」のコード進行

E♭M7|F|Gm|F|E♭M7|F|Gm|F
E♭M7|F(2拍)|Gm|F|E♭M7|F|Gm|B♭aug5/F#|
E♭|F|Gm7キー:Gm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

大森靖子の4作目シングル。コード進行はありきたりなのですが、メロディーがインパクトがありキャッチーな楽曲となっています。高音もHi-Gの音まで出ていてボーカルも素晴らしいです。

また、この曲はリズムが変則的な部分があり、サビの中に一か所だけ2拍子になる部分があるほか、サビ直後の間奏の部分も変則的なリズムとなっています。聴けば聴くほどはまってしまう魅力を秘めていますね…。個人的にはとても気に入ってしまいました。

[Alexandros]「Swan」のコード進行

B♭M7|C|Dm|F | B♭M7|C|F|A|B♭|C|F

キー:Dm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

アレクサンドロスの13作目のシングル。1フレーズ目と2フレーズ目はいずれも最初の2小節目はⅣ→Ⅴの進行ですが、後半の2小節の進行がフレーズごとに異なります。
2フレーズ目のⅣ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅲという進行はメジャーコードのみで構成される進行ですが、最後のⅢがいい味を出しており、覚えておいて損はないパターンですね。

LiSA「Brave Freak Out」のコード進行

C|C|D7/C|D7/C|Bm7|Bm7|Esus4|E7 ×2
C|D|B/D#|Em|C|C|D|Dキー:Em
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

LiSAの10枚目のシングルでアニメ「クオリディア・コード」の主題歌です。Dmのキーからサビに1度転調して入ります。典型的な王道進行ですが、sus4コードを途中に挟むなど味が出ています。また、「♪守りたい」の部分で使用されるⅢ/Ⅴ#のコードも何とも言えない感情を出しています(Ⅲmでも全く不自然ではなく、どちらがいいかは好みの問題でしょう)

BOYS AND MEN「YAMATO☆Dancing」のコード進行

Am|F|Dm7|G E|Am|F|Dm7|G Gaug/E♭|

キー:Am
2コード分類法による分類:Ⅵm→Ⅳパターン(小室進行)

人気急上昇中のBOYS AND MENの17枚目のシングル。ノリがよく和テイストを含んだ楽曲で、コード進行はAm→Fのパターン。そのあとはGに進む楽曲が多いですが、本曲では更に3度下のDmへ進行しています。ウルフルズの「ガッツだぜ」と曲調もコード進行も似ています(もちろんメロディーは違いますが)。

たこやきレインボー「どっとjpジャパーン!」のコード進行

B♭C|Dm|B♭C|Dm|B♭C|Dm|Gm7 C| Dm ×2

キー:Dm
2コード分類法による分類:Ⅳ→Ⅴパターン(王道進行)

女性アイドルグループ、たこやきレインボーのメジャー2作目は、サビは典型的な456進行でのアップテンポなアイドルチューンでした。ただ、この楽曲の特徴はむしろサビ以外の箇所にあり、イントロ、Aメロ、Bメロともにコードどころか、西洋音楽の12音階で構成されているかどうかも疑問なほど、特殊な楽曲といえます。この部分がサビだったら全く聞き取りができないところでした(笑)。

まとめ

今回で4回目となった新曲のコード進行解析。今回はいつも以上に3大コード進行(カノン、王道、小室)の楽曲が多くを占めた印象でした。

次回以降は、たくさんの曲を1曲にまとめるのではなく、1曲ごとに詳しく解説していく形式にしていきたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク