本記事では、2016/09/21発売の765PRO ALLSTARSのシングル「THE IDOLM@STER PLATINUM MASTER 02」に収録される楽曲「僕たちのResistance」のコード進行と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。
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「僕たちのResistance」の概要
本作はPS4のゲーム「アイドルマスター プラチナスターズ」で使用される楽曲を収録したCDシングル「THE IDOLM@STER PLATINUM MASTER」シリーズの00,01に続く第3弾で、今回紹介する楽曲はその1曲目に収録される楽曲です。
歌唱は高槻やよい(仁後真耶子)、如月千早(今井麻美)、星井美希(長谷川明美)、我那覇響(沼倉愛美)の4名で、作曲はアイマス関連の楽曲を多数手がけているkyo氏となっております。
本シリーズでは、第1弾の「Happy」はいかにもアイドルソングというイメージの明るくポップな楽曲で、第2弾の「Miracle Night」はEXILEグループでありそうなダンスグルーヴ的な楽曲でした。今作はカッコよくロックなテイストの大きい楽曲となっており、作品ごとに異なるイメージの楽曲を楽しむことができます。
「僕たちのResistance」のコード進行
イントロ
|C#m|C#m|B|B|F#m|F#m|A|G#|
イントロはエレキギターとシンセのパッド、ピアノの旋律がよく聴いたアップテンポな伴奏で、コード進行はⅥm→Ⅴと進むパターンです。Ⅵmから始まるコード進行としては、Ⅵm→Ⅳと進む「小室進行」の次くらいに頻繁に使われるコード進行です。
キー(調)は最初のコードと同一のC#m(またはE)で、少なくとも1コーラスの範囲で転調はありません。マイナートニックであるⅥmから始まるコード進行のため、非常にカッコいいクールなイメージを出しています。
最後の小節のG#(Ⅲ)は、それ自体が切ない感情を醸し出すという性質の他、次にⅥmかⅣを強く欲するという性質があり、(Ⅲ→Ⅵmの進行はセカンダリードミナントモーションと呼ばれます)、ⅢというコードはⅥmやⅣの前で非常に使われることが多いです。
Aメロ
|C#m|C#m|B|B|F#m|F#m|G#|G#|
Aメロの前半はベース・ドラム・エレキのアルペジオのみの非常にシンプルでゆったりとした構成。後半からギターが2本になり、ドラムのリズムも複雑になってノリが出てきます。ここでもイントロと同じく、コード進行はⅥm→Ⅴというパターンで、途中の進行は若干の差異はありますが、最終小節に非ダイアトニックのⅢを使用していることは共通しています。
Bメロ
Bメロで使用されているコードは全てがメジャーコードです。そのうちA,E,BがEキーにおけるいわゆるスリーコードで、DとG#/Cは非ダイアトニックコードになります。Dは数字で表すとⅦ♭にあたり、F#m(Ⅱm)を使えば普通のところ、あえてスケール外の音であるⅦ♭を用いることで、聴く方にインパクトを与えることができます。
その次のB(Ⅴ)は、そのままだとメジャートニック(E)に行きそうなところですが、更にG#/C(Ⅲ/Ⅴ#)を使うことで、サビのC#m(Ⅵm)に至る流れが自然になり、メジャーコードばかり使ったことにより楽曲が明るくなりすぎないように制御されています。もし明るく可愛いポップス系であったら、このG#はなく、Bが2小節続いていたかもしれません。
サビ
|C#m|C#m|B|G#m G#|C#m|B|A|B|
|F#m7|G#m7|C#m B |A|F#m|B|C#m|
サビはイントロに似たアレンジです、ピアノの代わりに、ヴォーカルが旋律を奏でるようなパートになっています。ハモリは(たぶん)なく、最初の4小節がユニゾン、その次がソロ、またユニゾン…という感じになっているように聴こえました。
コード進行の最初の2つはイントロ、Aメロと同じでⅥm→Ⅴパターンです。ヴォーカルの最高音は「ド#」で、1小節目や3小節目で伸ばす音は「シ」。アイドル・声優のジャンルとしては結構高い部類だと思います。
「♪そうさ」の次(F#m7の小節)から4拍子のリズムを強調する箇所が2小節ほど続き、周りのパートとはリズム感が大きく異なり、思わず手拍子をしてしまいたくなりますね♪
まとめ
765PRO ALLSTARSの「僕たちのResistance」のコード進行を耳コピで採譜しました。コードの聞き取りは比較的簡単で、セブンスなどの有り無しを除けば、大体耳コピは合っていると思います。
マイナートニックから始まるコード進行や、シンセやエレキギターのパワーコードなどにより、全体的にカッコいいイメージを出していて、ライブ等で盛り上がりそうな楽曲だと思います。アイマスの楽曲はあまり詳しくはなかったのですが、他の楽曲も聴いてみたいと思うようになりました。今後もアイマス関連は、様々なシリーズでCDが発売されると思うので、その際にはまたコード進行解析をやっていきたいと思います。