当ブログでは、様々なJ-POPの新曲について、音楽コードを耳コピしてコード譜を載せる記事を書いています。今回は新曲ではありませんが、北海道日本ハムファイターズの2016年ペナントレース、パ・リーグ優勝に合わせて、ファイターズの応援歌である「ファイターズ讃歌」のコード進行を解説してみました。
「ファイターズ讃歌」の概要
本曲は、1974年にささきいさお歌唱のレコードが発売されてから日本ハムファイターズの球団応援歌として使用され、2000年代には速水けんたろう歌唱版が、2014年以降は上杉周大歌唱のものが使用され、現在(2016年)に至ります。本記事で解説するコード進行も、Youtube動画のリンクも、この上杉バージョンのものです。
「讃歌」とはいっても、いわゆる「讃美歌」に分類されるような曲調の音楽ではなく、他球団の応援歌と同様、明るくノリの良い楽曲となっています。
「ファイターズ讃歌」のコード進行
|B♭ F/A|Gm|B♭ F/A|Gm|
|E♭ B♭/D|Cm7 F|E♭ B♭/D|F|
●Aメロ
|B♭|Gm|Cm|F|
|B♭|Gm|Cm F|B♭|
●Bメロ
|F|B♭|E♭C7/E|F|
|Dm|Gm|Cm F|B♭|
●サビ
|B♭ F/A|Gm B♭/F|
|E♭|F|
|B♭ F/A|Gm B♭/F|
|E♭ F|B♭|
●間奏1
|B♭ F/A|Gm|
|E♭ B♭/D|F|
※Aメロ、Bメロ、サビ繰り返し
●間奏2
|(N.C.)|×8
|F|F|F7|F7|
※Aメロ、Bメロ、サビ繰り返し
●後奏
|B♭ F/A|Gm|B♭ F/A|Gm|
|E♭ B♭/D|Cm7 F|E♭ B♭/D|F|
|B♭|
イントロ
本曲のキー(調)は、B♭で、楽譜では♭が2つの調性です。ちなみに、初代のささきいさお版はF、2代目の速水けんたろう版はGであるため、初代のキーを0とすると2代目が+2、3代目が+5というキーです。コード進行はⅠ→Ⅴ→Ⅵmと進む、いわゆる「カノン進行」。初代ではこの進行は使われていませんでしたが、2代目から時代の流れに合わせたのでしょうか、多くの楽曲で使われているコード進行となっています。
Aメロ~Bメロ
Aメロは、Ⅰ→Ⅵm→Ⅱm→Ⅴという、アイドルソングから洋楽まで非常に広い範囲で使用されたポップスのコード進行です。この部分も、初代では2つ目のⅥmはⅠのままで、2代目から現在と同じコード進行になっています。
Bメロでは3小節目にC7(Ⅱ7)というノンダイアトニックコードが登場します。本曲でノンダイアトニックコードが登場するのはこの部分のみで、やはり初代では使われておらず、2代目から利用されたコードになります。この部分は直前のE♭(Ⅳ)のままでも不自然ではないのですが、あえてノンダイアトニックなⅡ7を使うことで、楽曲に表情をつけることができます。
サビ
イントロで解説したカノン進行が再び登場します。そして、5小節目の「♪勝利の」という部分のヴォーカルは「ソ」であり、これは通常のJ-POP並の高い音です。広島カープの「それ行けカープ」の最高音が「ド#」、阪神タイガースの「六甲おろし」は「レ」であることを考えると、非常に高いキーであると言えます。(ただし、この曲よりも、オリックスバファローズの「SKY」の方が、更に高い音を使用しています)。
他の球団応援歌も機会があれば紹介してみたいと思います。
なお、2016年度のセリーグ優勝チームである、広島カープの応援歌は以下で解説しております。