沼倉愛美「叫べ」のコード進行解析と楽曲の感想

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本記事では、2016/11/2発売の沼倉愛美の新曲「叫べ」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

画像引用元：©沼倉 愛美 オフィシャルサイト

「叫べ」の概要

本曲は、声優・沼倉愛美のデビューシングルで、本人も出演するアニメ「魔法少女育成計画」の主題歌です。沼倉愛実は、アイドルマスターシリーズの我那覇響役で知られ、キャラクターソングとしては既に何枚かのCDを発売していますが、本人名義としては今回初の作品となります。

作詞は本人が行い、作編曲は、艦これシリーズの「海色」「吹雪」など、数多くのヒット曲を生み出してきたWEST GROUND氏。今作も、氏の作品らしくスピード感があり、ライブ等でとても盛り上がりそうな楽曲だと思います。

「叫べ」のコード進行

イントロ

ギターハーモニクスのような楽器の高音が数秒鳴った後、伸びのあるヴォーカルからイントロが始まります。本曲のキーはFメジャー(またはDマイナー)で、楽譜では♭が1つの調性です。転調は少なくともCメロまではありません。

歌い出しのフレーズは、サビの後半部分に相当し、タイトルコールを含みます。本曲におけるヴォーカルの音としては一番高い「レ」の音が使われています。「♪叫べ～」の音を長く伸ばした後に、声を切るところがとてもメリハリがあって素晴らしいと思いました。声の出しはじめだけでなく、声をどう切るかというのも歌の表現では大事になってくると思います。

コード進行はB♭(Ⅳ)→C(Ⅴ)→A(Ⅲ)m→D(Ⅵ)mと進む、典型的な「王道進行」と呼ばれるもので、近年のJ-POPでの使用率は1，2を争う人気のコード進行です。本曲の作曲者WEST GROUND氏の手掛けた有名曲「海色」「SAVIOR OF SONG」などのサビも、このコード進行です。

本曲は、イントロだけではなく、楽曲のほぼすべての部分がこのコード進行だけで構成されているのが特徴と言えます。

Ａメロ～Ｂメロ

Aメロの最初の方はメインボーカルに対して、囁くような声でコーラスが入ります。後半ではエレキのアルペジオや上ハモも入り、盛り上がってきます。

Bメロではギターのパワーコードやドラムの8ビート感も本格的に始まります。ここまで、コード進行は前で述べた「王道進行」の繰り返しで、コードは全く同じでも、アレンジが個々のパートで目まぐるしく変わるため、退屈な印象は全く受けません。

サビ

サビでは、高音で細かい歌いまわしの部分が長く続きます。ＡメロとＢメロはどちらかといえば低いキーのパートでしたが、この部分はずっと高音が続くため、歌われる方はかなり練習しないときついのではないかと思います。

沼倉さんの歌声はこれまであまり通しで聴いたことはなかったのですが、他のアーティストではあまり見ない声質で、高音でも低音でも、1音1音ハキハキしたキレがいい歌声で、とても好印象です（あえて誰に似てるかと言えば、Pileさんや茅原実里さんと近い印象かなとも思ったのですが、気のせいでしょうかｗ）。

コード進行はやはり王道進行の連続。なお、コード譜の表記でB♭にM7を付けた部分とつけてない部分がありますが、これらは本質的にはほとんど違いがありません。ストリングスやヴォーカルなどで「ラ」の音が強く入ってるかなと思った部分にM7を付けているだけですので、あってもなくてもほとんど違和感はない部分ばかりだと思います（本サイトでは、ダイアトニックな7thの音については、それほど重視しないようにしています。ノンダイアトニックになる場合はかなり重視しますが）。

1コーラスのサビの終わりでは「♪今～」というフレーズがあって、その後にイントロと同じく「♪叫べ～」とくるのかと思ったら、そのまま2コーラスが始まってしまい、軽くフェイントを食らった気分になりますｗ

Ｃメロ

Ｃメロでは、タイトルの「叫べ」というフレーズを2小節ごとに4回連呼している部分があって、おそらく本曲の中で一番の盛り上がりを見せる部分だと思います。声が被さる部分になるので、ライブ等では観客がコールを入れるようになるのかもしれません。そのあと、静かな部分もありますが、残念ながら公式動画がここで終了しているため、続きのコード譜は発売後ということになりそうです。