広島東洋カープ応援歌「それ行けカープ」のコード進行を解析してみた


当ブログでは、様々なJ-POPの新曲について、音楽コードを耳コピしてコード譜を載せる記事を書いています。今回は新曲ではありませんが、広島東洋カープの2016年ペナントレース優勝に合わせて、カープの公式応援歌である「それ行けカープ」のコード進行を解説してみました。
広島カープのロゴ

「それ行けカープ」の概要


本曲は広島東洋カープの応援歌として1975年に作られた楽曲で、カープのホームゲームの試合後や7回裏開始時などで聴くことができます。今年はカープの大進撃により、本曲を今まで聴く機会がなかった人でも、耳にすることがあったのではないでしょうか?

オリジナル盤は塩見大治郎による歌唱ですが、2016年度の公式動画(カープファンの有名人が1フレーズずつ歌唱するコラボ形式)で使われている音源で耳コピを行っています。そのため、他サイトに掲載されているコード譜とは、キーなどが異なる可能性があります。また、著作権の関係上、歌詞や楽譜は掲載しておりませんのでご了承ください。

「それ行けカープ」のコード進行

イントロ

|E|E|A|A|B(2拍)|E・・A|E B|E|

コード進行はEから始まり、同時にEが本楽曲のキー(調)となります。コード進行としては非常に簡単なのですが、ベース音が1音ごとに動くため、厳密に原曲のニュアンスを表現するのでしたら1小節ごとにコードを変えないといけないのかもしれませんが、2015年度版の同曲の動画において、奥田民生がEとAのコードを弾いているように見えるため、難しいことは考えずにE→Aと判定しました。

イントロで使われたコードはE,A,Bの3種類でいずれもEメジャーキーのダイアトニックコードの3つ(トニック、サブドミナント、ドミナント)となります。楽器やコードを覚え始めたばかりの初心者の方でも、よく目にするコードばかりなのではないでしょうか。

サビ

|E|E・・A|B|E|

「カープ、カープ」と連呼する部分です。ここも同じくダイアトニックの3コードのみで構成されています。コード進行のパターンとしては、2小節目で1音だけ聞こえるAを重視すれば「Ⅰ→Ⅳ」というパターンになりますし、それを無視すれば「Ⅰ→Ⅴ」のカノン進行のようなパターンとなります。

Aメロ

|E|E|E|E|G#m G#|C#m|F#|B|
|E|E|A|E|G#m A|E/B B|E|

Aメロでは4小節目まで単一コードで表記しましたが、やはりここでもベースが1音ずつ動くため、2小節目は厳密にいえば、E→B/D#→A/C#→Bという表記が正しいのかもしれません。ただ、単一の楽器で弾くのであれば上で表記したように全部Eでも問題はないかと思います。

5小節目にⅢ(G#)という、ダイアトニックではないコードが初めて登場します。更に、その2小節後に登場するⅡ(F#)非ダイアトニックです。非ダイアトニックなコードは聴く人に強い印象を与えるため、それぞれ単にⅢmやⅡmを弾くよりもおしゃれな感じで聞こえます。応援歌ではこのような特殊コードを使わない曲も多いのですが、本曲に関してはJ-POP的な要素もある程度含んだ楽曲となっています。

サビ

|E A E/G#・|E・・A|B|E|

最初のサビと同じメロディーですが、1小節目のⅣ(A)の響きが無視できないほど強かったので、ちょっと複雑な書き方になってしまいました。ベース音による感覚を無視して、ギターで簡単に演奏にするだけでしたら、1小節目と2小節目は全部Eでもいいかもしれません。

間奏

|E B|E7 A|E B|B E・・|
※Aメロ~間奏 3回繰り返し

2小節目で使われているE7はセブンスの音がメジャースケール外の音であるため、単にEを弾くのと大きく異なる響きを持っています。7度の音によって、「トニックコードなのに完結感を持たない響き」になっており、次のAを誘導する役割を担っています。この後はAメロから間奏まで、同じメロディーが3回繰り返されます。

後奏

|A|E|C |E|

後奏では2小節目の最後の方からテンポがゆっくりになります。3小節目以降はリズムは無視してだんだんゆっくりにしていく感じで弾いていただけたらと思います。

ここでも非ダイアトニックコードⅥ♭(C)が使われ、インパクトを与えながら最後はトニックEに落ち着いて、コードが完結します。Cのところはより原曲に忠実に演奏するのであれば、C→D/C→Cとしてもよいでしょう。

まとめ

カープの応援歌「それ行けカープ」のコード譜を耳コピで採譜しました。コード自体は簡単なものが多いのですが、ベースが1音ずつ変わるため、これをコードの記号に反映させるべきか無視するべきかの判断に意外と苦労しました。古い曲ですが、アレンジのおかげか古臭さを感じず、1つの楽曲として見ても、とても良い曲だと思いました。

機会があれば他の球団の応援歌のコード進行も採譜してみたいと思います。

※2016/9/28 パリーグ優勝の日ハム応援歌の記事も追加しました。

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