Aqours「青空Jumping Heart」のコード進行解析と楽曲の感想


本記事では、Aqoursの「青空Jumping Heart」のコード譜と、音楽的な解説、および楽曲を聴いた感想を記していきます。

「青空Jumping Heart」の概要

本曲はアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のオープニングテーマで、作曲は、petit milady等に楽曲を提供している伊藤賢氏と、水樹奈々の「Angel Blossom」等を手掛けた光増ハジメ氏の共作です。明るく前向きな曲調と歌詞で、オープニングにふさわしい楽曲と言えるでしょう。

「青空Jumping Heart」のコード進行

●歌いだし
|C|Em|F|G|

●イントロ
|C|C|G/B|G/B|
|Am|Am|Dm7|G|

●Aメロ
|C|G|Am|Em|
|F|D/F#|G|A♭B♭|
|C|G/B|Gm/B♭|A7|
|Dm7|G|C|C|

●Bメロ
|FM7|G|Em|F#m7-5(2コーラスはD#dim)|
|Dm7|Em7|F|D/F#|
|G|G|G|G|

●サビ
|C|C|G/B|G/B|Am|Am|Gm|C|
|F|G|Em|Am|F|F|A♭|G|
|C|C|G/B|G/B|Am|Am|Gm|C|
|F|G|Em|Am|Dm|Dm|G|G|

●間奏1
|C|C|G/B|G/B|
|Am|Am|Dm7|A♭B♭|

※Aメロ~サビ繰り返し

●間奏2
|F|F|C|C|
|Bm7-5|E|Am G/B|A/C#|
|Dm7|Dm7|Em7|Asus4A|
|F G|A♭B♭|Csus4|C|

●Cメロ
|F|F|C|C|
|Bm7-5|E|Am|Gm|
|F#m7-5|F|Em|Cm/E♭A|
|Dm7 Em7|F F#m7-5|Gsus4|G|
|(N.C.)|(N.C.)|

●ラスサビ
|C|C|G/B|G/B|Am|Am|Gm|C|
|F|G|Em|Am|F|F|A♭|G|
|C|C|G/B|G/B E/G#|Am|Am|Gm|C|
|F|G|Em|Am|Dm|E|Am|D|
|F|G|Em|Cm/E♭|Dm|Dm|G|G|

●後奏
|C|C|G/B|G/B|
|Am|Am|Dm7|G|
|F/C|F/C|C|C|

歌いだし~イントロ

短い歌いだしのメロディーからスタートします。キーはCメジャーで、楽譜では#も♭もない「ドレミファソラシド」の調です。いかにもアニメのオープニングを感じさせるスタートです。続くイントロのコード進行は、アップテンポなリズムをバックに、シンセの音が主旋律を奏で、コードはⅠ→Ⅴのカノン進行と、アニソンやアイドルソングの定番と言えるアレンジやコード進行と言えるでしょう。

歌い出しが短い場合、そのメロディーはのちのサビの1部分であることが多いのですが、「♪見たこと」~「軌道」までの部分は、この部分しか使われていないメロディーです。

Aメロ

Aメロの前半はカノン進行が使われており、8小節目ではA♭→B♭(Ⅵ♭→Ⅶ♭)というノンダイアトニックなコード進行が使われています。この部分は、同主調のCマイナーの楽曲のダイアトニックコードを代用する手法で、Ⅵ♭とⅦ♭がセットで多くの楽曲で見ることができます。

後半では最初の2小節は前半と同じですが、3小節目からはコード進行もメロディーも変化しています。コード進行はベース音がC→B→B♭→Aと半音ずつ下がるテクニックが使われています。

Bメロ

Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmの王道進行と思いきや、4つ目のコードは1コーラスがF#m7-5(Ⅳ#m7-5)、2コーラスはD#dim(Ⅱ#dim)のように聴こえました。いずれもノンダイアトニックなため非常にインパクトがあり、王道進行だと思い込んでいるだけに余計に「おっ」と思う部分です。

サビ

サビでは、カノン進行→王道進行→カノン進行→王道進行と、J-POPで頻繁に使われている2つのコードのパターンが交互に使われています。8小節目などで聴こえる「hu~!」というコーラスは、ライブ等でコールしたくなってしまいますね。

ちなみに、ラスサビでは1コーラスや2コーラスよりも少し高いメロディーが使われている他、最後の終わり方も若干異なっています。

間奏、Cメロ

2コーラスの後の間奏(「間奏2」と記した部分)では、Bm7-5→E(Ⅶm7-5→Ⅲ)という2つセットでⅢと似たような響きを持つコード進行が使われた後、ベース音がA→B→C#と徐々に上がる展開になっています。Aメロでは半音ずつ下がるテクニックでしたが、このように、半音、全音を混ぜて徐々に上げたりと、ベースラインを使ったコード進行のテクニックは非常に多岐にわたります。

たとえば、Cメロ直前のコード進行もF→G→A♭→B♭→Cと徐々に上がっています。また、Cメロでは、F#→F→Em→E♭と半音ずつ下がったすぐ後に、D→Em→F→F#→Gと半音ずつ上がる進行が使われています。このように、コード進行は一見意味が分かりにくい複雑なものであっても、ベースラインだけに注目してみると、法則性が見えたりするなど、とても興味深いです。

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