Roselia「Safe and Sound」「PASSIONATE ANTHEM」のコード進行解析


本記事では、BanG Dream!(バンドリ)の作内ユニットおよび実在の声優ユニットでもあるRoseliaの楽曲「Safe and Sound」および「PASSIONATE ANTHEM」(2019/2/20発売)のコード譜と、簡単な解説を書いていきます。コード譜は管理人の耳コピによるもので、必ず正しいという保証はできかねますのでご了承ください。

「Safe and Sound」のコード進行

●イントロ
|F/E♭ B♭/D B♭sus4|F|×2
|F F/E♭|E♭9|

●Aメロ(♪遥かなる摩天楼)
|F|F|B♭|B♭|
|F|F|B♭|C|

●Bメロ(♪頬に落ちて)
|B♭|Am|Gm|A|B/F# B7(2拍)|

●サビ(♪冴えわたる)
|Em|C|D|G・・D/F#|
|Em|D/F# G|C D|G・・D/F#|
|Em|C|D|G・・D/F#|
|F C|D|C9|

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

※文中のローマ数字は、マイナー調楽曲の場合でも平行調のメジャー調における記載としています(例:マイナートニック=Ⅵm)。

壮大なイメージの8ビートのロックバラード。楽曲のキーはAメロ、BメロはFメジャーで、サビでEマイナー(Gメジャー)に転調しています。今回の記事は、この転調部分に着目してみます。

Bメロの最後の3小節は以下のようになっています。

|G(Ⅱ)m|A(Ⅲ)|B(Ⅳ#)/F#(Ⅰ#) B(Ⅳ#)7|

最初のⅡm→Ⅲについては、割とありがちなパターンで、通常なら次にⅥmかⅣが来るところですが、本曲ではここでⅣ#/Ⅰ#というコードを持ってきています。

これが、分数コードがない単なるⅣ#というだけなら、「2音上げの転調を自然に行うため、Ⅶm(つまりサビのEm)を誘導しやすいⅣ#を持ってきた」ということで理解ができます。

しかし、本曲の場合、3小節目の1拍目のピアノの最低音がⅣ#でなくⅠ#となっており、これによって、単にⅣ#を使えば比較的自然に転調できるところを、あえて不自然にすら聴こえる1拍となっており、これが聴き手にとっては強烈なインパクトとなっています。そして、2拍目に単なるⅣ#を奏でていることにより、1拍目で感じた違和感が解消された上で、サビのEマイナー調につながるようになっています。

この間、ピアノの最低音で、「ファ#」と「シ」の音を1拍ずつ弾いただけのことなのですが、たったそれだけのことでサビ直前部分の印象は大きく変わる、素晴らしいアレンジだと思いました。単に「シ」を2拍分弾いたとしても、ある程度のインパクトはあったと思いますが、本曲の場合ほどではなかったでしょう。

ちなみに、その転調後のサビのコード進行はE(Ⅵ)m→C(Ⅳ)と進む、「小室進行」に該当します。

「PASSIONATE ANTHEM」のコード進行

●イントロ
|Am|Am|Am|Am|F|F|G|G|
|F|G|Am|C|F|G|Am|C|
|F|G|Am|C|F|G|Am|Am|

●Aメロ(♪まなざしはただ)
|Am|Am|F|F|C|C|G|G|
|Am|F|C|G|F|F|E|E|

●Bメロ(♪逆鱗に触れ)
|Dm Em|Am|F|G|Dm Em|Am|
|F|F|E|E|

●サビ(♪競い咲くように)
|D|E|F#m|A|D|C#|F#m|A|
|D|E|Fdim|F#m|D|E|F#m|F#m|
|D|E|

●後奏
|F|G|Am|C|F|G|Am|Am|

| ←この記号は小節の区切りを表します。
・ ←この記号は一拍分だけ直前と同じコードを鳴らすことを意味します。A・・BならAを3拍、Bを1拍です。
/ ←この記号で区切ったものは分数コードです。分母にある音を最低音にして演奏してください。多くの場合、分子のコードよりも最低音が分母の音であることの方が重要です。

既にスマホゲーム版ではかなり以前から配信されているアップテンポなロックナンバー。

楽曲のキーはAメロ、BメロがAマイナーで、サビがAメジャー。「同主調」への転調が行われています。

転調の瞬間、音が一瞬止むようなアレンジはありますが、仮に音が続いていたとしても、コード的には極めて自然な転調の仕方をしています。

すなわち、Bメロの最後で使われているEというコードが、BメロではⅢとしての働きを、サビではⅤとしての働きを兼ね備えており、前後の調の橋渡しの役目を担っているのです。同主調転調では最もよく使われる転調ではないかと思います。

また、サビから後奏に至るところでは、逆にAメジャーからAマイナー調に戻っているわけですが、ここではD→E→F→G→Amと、メジャーコードを4つ並べています。もちろん、1つの調だけを見たら、メジャーコードが4つも連続するわけはないのですが、D→EやF→Gは、それぞれ以下の性質を持ちます。

・D→E ・・・Aメジャー調ではダイアトニック進行で、Aマイナー調ではノンダイアトニックだが比較的よく使われる。

・F→G ・・・Aマイナー調ではダイアトニック進行で、Aメジャー調ではノンダイアトニックだが比較的よく使われる。

このため、AメジャーからAマイナーに推移する箇所においては、順番に4つメジャーコードを並べても、突発的に出てきた印象を受けず、スムーズに転調ができるのです。このあたりが、同主調が近親調(共通して使うコードが多い調)の一種とされている理由の1つです。転調の前後なら、どんなコードの組み合わせを並べても不自然にならない、というわけではありません。

コード進行とは関係ありませんが、ヴォーカルの最高キーはHi-Gであり、これはソプラノ歌手並みの高音ですが、ファルセットではなく地声で歌いこなしており、ヴォーカル湊友希那役の声優・相羽あいなの歌唱力がズバ抜けていることがわかります。

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今回の記事は以上となります。今後もたくさんの楽曲のコードを掲載していきたいと思いますので、当ページをよろしくお願いいたします。

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